
今年、俳優として多数の話題作に出演し、現在公開中の新海誠監督の最新作『すずめの戸締まり』でも、物語のキーパーソンとなるキャラクター・宗像草太の声優を務めているSixTONES・松村北斗。声優初挑戦ながら、ネットではその実力を評価する声が多くあがっている。
SixTONESのメンバーとして活躍する一方、2021年度後期NHK連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』にて初代ヒロインの夫役を演じたことで、俳優としてもお茶の間から注目を集めた松村。その後、関西テレビ・フジテレビ系ドラマ『恋なんて、本気でやってどうするの?』では、来る者拒まず去る者追わずの“刹那恋愛主義男子”長峰柊磨役を、映画『ホリック xxxHOLiC』では、神木隆之介演じる主人公の同級生のクールなキャラクター・百目鬼静をそれぞれ演じるなど、多彩な役柄に挑戦しており、今年は松村にとってステップアップの年となったと言えそうだ。
そんな彼が今回、声優に初挑戦したアニメーション映画『すずめの戸締まり』は、大ヒットした『君の名は。』(2016年公開)や『天気の子』(2019年公開)に続く、新海監督にとって3年ぶりとなる新作。日本各地の廃墟を舞台に、九州の静かな町で暮らしていた17歳の少女・鈴芽(声優は原菜乃華が担当)が災いをもたらす“扉”を閉めていく旅に出るという物語だ。松村は、扉を閉める「閉じ師」であり、鈴芽と共に旅をすることになる青年・草太の声優を務めている。
初挑戦となる声優の仕事について、「声のお仕事とはなんなのかっていうのが本当にわからなくて」といった不安をテレビ番組のインタビューで明かしたこともある松村。しかし、新海監督の存在が大きな助けとなったようで、別の番組に出演した際には“リアルに演じすぎるとアニメーションとミスマッチになってしまう。カッコ良すぎてもリアルさがなくなる”といった監督からの教えと共に、「そういうのは全部、新海さんのディレクションに従っていくと、自然とこういったものができたって感じです」と振り返り、アフレコの最中に細かな指示を受けたことで、草太という役を完成させることができたと語っていた。
また、新海監督は「2人(原と松村)に担っていただけた時点で、僕はもう間違いないと思っていたので」「発声してもらった時点で、すごくいいのは確かだったので」として、松村を最初から評価し、アフレコ中の指導はあくまで観客の心をより動かすための調整だったことを明かしており、このような発言からも、松村の声優としてのポテンシャルの高さがうかがえる。
新海監督との試行錯誤を経て完成したという松村の声の演技は、ファンのみならず、幅広い層に評価されたようだ。