2014年11月26日。この日は本当に忘れられない日になった。
この日、道重さゆみがモーニング娘。を卒業した。彼女らしく、愛のこもった素敵な卒業公演となった。 モーニング娘。にとって、2010年12月15日『ライバルサバイバル』以来の横浜アリーナ公演は超満員。全国、そして海外でのライブビューイングやテレビでの生中継も行われた。モーニング娘。にとって久しぶりの横浜アリーナ公演を見られることはとても楽しみだったけれど、それと同時に道重さゆみの卒業の日が来てしまう。そんな複雑な気持ちを抱えていた人も多かったと思う。 今回のツアーはとにかく道重さゆみのための、セットリストだった。ソロ曲はもちろん、久しぶりに披露された『Do it Now!』や6期のデビュー曲の『シャボン玉』など、彼女にとって思い出深い曲やお気に入りの曲が多く披露された。
そしてこの日だけ披露されたのが、彼女が「人生の始まりの曲」と話した『赤いフリージア』。この曲は6期メンバーオーディションの課題曲で、道重の不安定な歌唱力から彼女が歌う『赤いフリージア』は「さゆーじあ」と呼ばれ、ファンの間で伝説となっていた。それから約12年。まだまだ不安定さもあり、決して上手いとは言えないかもしれないけれど、モーニング娘。として大きく成長したパフォーマンスを堂々と見せてくれた。美しいドレスを着た道重が、お花畑のようなサイリウムのピンクに包まれながら歌う姿はやっぱりかわいかった。 『赤いフリージア』に続いて披露されたのが『歩いてる』。これは今回のツアーの中で回替わりで道重のソロ曲として披露されていたが、この公演では10人でのパフォーマンスとなった。この『歩いてる』は、昨年の秋ツアーでも道重がソロとして歌っていた楽曲。 ちょうど1年前、2013年11月28日に行われた武道館公演では、道重以外の9人がこの曲を歌う道重を見つめ歩く演出があった。 そのころは10人体制になって最初のツアーで、道重と9人の後輩たちという印象がまだ強く、9人にとって大きな目標である道重さゆみを目指し、歩いているようだなと思った。今回も9人が道重に向かって歩いていくのだが、今は10人でいるのが自然なことで、1人で歌う道重を9人が迎えに行き、メンバーみんなでしっかりと支えあっていた。
「ひとりじゃないから みんながいるから」。モーニング娘。として過ごしてきた10人は、お互いを見合いながらそう歌っていた。これまでモーニング娘。を作ってきた先輩たちや、今このときモーニング娘。である彼女たちが歩いてきた物語の続きを、これからのモーニング娘。たちが、互いに支え合い、大きな愛で紡いでいくのを感じた1曲だった。 9・10・11期もこのツアー中、そして今回の横浜アリーナ公演の中でも、大きく成長した姿を見せてくれた。いつも飄々とパフォーマンスする小田さくらは、道重を想い、静かに泣いていた。涙を流しながらも、あの力強く美しい歌声をしっかり届けてくれた。 「道重さんが好きな自分に」と、このツアー期間中髪を伸ばしていた工藤遥。ナルシストキャラでやっていくのかは分からないけど、自分のかわいさには自信を持って、ビジュアル担当として頑張ってほしい。
涙を流す小田の肩を強く抱いていた佐藤優樹。泣かないと決めたまーちゃんは、涙をこらえながら大好きなみにしげさんへの想いをしっかり話していた。 とにかく楽しそうにパフォーマンスしていた石田亜佑美。メンバーを愛しそうに見守りながら、一瞬一瞬を噛み締めているようだった。 サブリーダーとして道重を支えてきた飯窪春菜。何かで道重さんに勝てるように、と話していたけれど、その人一倍の優しさと気遣いは誰にも真似できないと思う。 涙を流しても、前を向くときにはいつもの笑顔を見せた鈴木香音。彼女の強さは、アイドルとして道重の意思を引き継いでいるように見えた。 凛々しくグループを引っぱった鞘師里保。「大好きです」と素直な気持ちを話し、抱きついた手のひらで道重の衣装をぎゅっと掴む、その素直な鞘師も大切にしてほしい。 サブリーダーとしての活躍が期待される生田衣梨奈。底抜けの明るさと自信に、道重を含め、彼女の存在にほっとした人も多いはずだ。
すでにリーダーとしての自覚がはっきりと見えた譜久村聖。道重とのユニット曲『好きだな君が』を隣で歌うため、負傷した道重のもとへ走る姿はとてもかっこよかった。道重さゆみが育てた後輩たちは、いつの間にか頼もしく成長していた。 コンサート終盤で、彼女はモーニング娘。道重さゆみからの最後のメッセージがあった。これまでのコンサートで卒業するメンバーは、手紙を書きそれを読むことが多かったが、道重は会場にいるファンを見て、噛み締めるように話してくれた。 「見つけてくれて、出会ってくれてありがとう」と話していたけれど、それは彼女がモーニング娘。になってくれたから。そして約12年、楽しいことやつらいことをたくさん経験して、ずっとモーニング娘。を続けてくれたから。「さゆみのファンの人たちが、他の誰でもない、みんなでよかった。変な人たち、サンキュー」。
こんなに彼女らしくて、ファンにとって嬉しい言葉はない。 みんなのおかげ、と彼女は言うけれど、彼女がいての存在に救われた人や彼女に憧れる人はたくさんいる。ファンとアイドルの関係はとても不思議で、家族でも友だちでも恋人でもないけれど、この道重さゆみとそのファンのあいだにある強い互いへの信頼は、彼女の人柄あってこそ。そして「道重一筋」を掲げ、ついてきたファンがいたからだ。アイドルとして常にかわいくいてくれた、モーニング娘。で居続けてくれた、そしてモーニング娘。を新たな高みへ連れて行ってくれた。もっともっと彼女への感謝や愛を伝えたいのに、彼女はそれよりもずっと大きな愛をくれる人だった。 今回のライブは、3時間ほどだったけれど、道重さゆみのモーニング娘。としての人生が詰め込まれたような濃さがあった。同期の田中れいなの登場で6期MCのようなくだけたトークを聞くことができたり、とうとう鞘師にキスをして、大勢の中での公開キスはとっても気持ちいいです! と話したり、思わぬアクシデントで悔しい表情を見せたり。どれも彼女らしいなと思った。
足をつったことは彼女自身、きっと悔しい想いがあるだろうけれど、そこで12年で培ったステージに立つプロとしての根性、アイドルとしての意地がしっかりと見せてくれた。そしてそれを見て、後輩たちも懸命にフォローし、本当に素晴らしいライブになっていた。正直、素晴らしいって言葉だけでは言い尽くせないけれど、すごいライブを見たと。 すべての曲を終え、道重が去ったあと、エンディングとして映像が流れた。そこで最後に映ったのは道重さゆみがモーニング娘。として活動した「4329days」の文字。彼女の歩いてきたモーニング娘。としての時間に、会場からは大きな拍手が送られた。長い長いモーニング娘。道重さゆみの物語は、2014年11月26日で終わりだけれど、彼女自身の物語は始まったばかり。その姿をまた見られる日が来るのかは、わたしたちには分からないけれど、ただただ彼女が幸せであるように願いたいと思います。 そして、彼女が言っていたように、新しいモーニング娘。にはこういった卒業公演ではなく、普通のコンサートで横浜アリーナに戻ってきてほしい。そしてもっと大きな会場へ連れて行ってほしいし、それが出来るように応援し続けたい。そのときには彼女たちの先輩であり、モーニング娘。のファンである道重さゆみがそばで見守っているはず。たくさんの愛を受け、頼もしく育ったこれからのモーニング娘。たちの活動が待ち遠しい。 東海林その子 メジャーどころを中心に、女子アイドルを追いかけています。女の子が変化する一瞬一瞬を見逃したくないです。
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