2021年、今年もグラビア界には多くのニューヒロインが誕生した。中でも輝いていた3人をグラビアライター・とり氏にピックアップしてもらい、本人の話を交えつつ、その魅力に迫ってもらった。
1人目は、「グラビア・オブ・ザ・イヤー 2021」を獲得した2020年デビューの新人・藤乃あおい。

【写真9点】天真爛漫な笑顔を魅せる藤乃あおい、撮り下ろしショット

藤乃あおいは、グラビアの才に溢れた新星だ。何をもって”グラビアの才がある”と言えるのか、ハッキリとは分からないが、2020年7月にグラビアデビューを果たし、同年11月にリリースされた1stDVD『w.a.l.k!』で年間1位の売上を記録したのは、紛れもなく彼女の天性的な魅力が導いた結果だろう。

さらに、先日発表された「グラビア・オブ・ザ・イヤー 2021」ではグランプリを獲得。2018年よりはじまったこのアワードは、グラビアアイドルのDVD販売に携わるプロフェッショナルたちが、売上や話題性、本人の商品アピール力などから総合的にジャッジし、最もショップに貢献したグラビアアイドルを表彰するもので、過去3回のグランプリは森咲智美が受賞、殿堂入りを果たしている。そこに、デビュー間もない藤乃あおいが名を連ねることとなったのだ。

「嬉しいですし、ありがたいんですけど、『私がこんなに素敵な賞をもらっていいの?』って気持ちの方が大きいですね。グラビアについて、まだまだ分からないことだらけですし、デビューしたときも、マネージャーさんと『最初の2~3年は地道にコツコツ頑張っていこう』とお話していたので、『早速、注目していただいて大丈夫なの?』って感じです。1st DVDが売上1位になったときも、何かの間違いやと思っていましたしね(笑)」

北陸訛りの明るい声音で現状を俯瞰しながら、たびたび「こんな私で大丈夫なんですかね?」と言葉を漏らしているのが気になった。雑誌グラビアで見る、新人とは思えぬほどの安定感と落ち着きのある穏やかな表情は、彼女が持つ強い心が反映されているのだと思っていたが、実際は、ごくごく普通のピュアな23歳。いきなりの大躍進に、戸惑いが生じるのも無理はない。そう思うと、彼女に降りかかるドラマチックな現実の光度が、いかに測れないものであるかを痛感する。


「私はもともと、自分に自信がないタイプ。グラビアをはじめるまでは、大きな胸がコンプレックスでした。でも、その胸を武器にすることで、たくさんの方がファンになってくださいました。いまだに自信がついたとは言い切れませんが、おかげで少しずつコンプレックスは解消されてきましたね。

撮影会に来てくれたり、DVDや雑誌を買ってくれたり。こんな私を応援してくれる人がいる事実には、ありがとうの気持ちしかないです。グランプリも、ほかの人が獲っていたら『あぁ、スゴい人なんやなぁ』って思いますけど、私は全然スゴくないですし。ほんまに、みなさんの支えがあってこそなんですよ」

実感が追いつかないほどの目まぐるしい日々。しかし、それを今日まで乗り越えてこられたのは、藤乃あおいの”人との繋がりを大切にする心持ち”と”ノリの良さ”にあると感じる。というのも、グラビアをはじめるきっかけを与えたのは、高校卒業後に短期間だけ上京した際、たまたま知り合ったという現在のマネージャーであり、石川に戻ってアルバイト生活を送っていた21歳の頃、ちょうど就職を考えていたタイミングで、そのマネージャーから「グラビア、やってみない?」と誘いを受けなければ、今の藤乃あおいはいないのだ。

「面白そうだからやってみる」、「やってみてダメだったら、そのときはそのとき」。そんなマインドで、心の動く方向に舵を切り、手にした未来
それは、イレギュラーな人生を楽しむ気持ちがなければ、辿り着けなかった奇跡の島でもある。

グラビアアイドルになるまで、グラビアに触れたことすらなかった藤乃あおいだが、きっと分からないなりに、DVDの監督やグラビアのカメラマンから教わる技術や感覚を、見事に”ノリ良く”吸収しているのだろう。正解も不正解もない表現の世界とは言いつつも、グラビアには、経験で補っていく部分も確実にあるのだ。素直な感性が育んだ表現力は読者にも伝わったようで、今年に入って2度も巻末グラビアを飾った『週刊ヤングジャンプ』で、初の表紙&巻頭グラビアに抜擢されるのに、そう時間はかからなかった。

「ヤンジャンに自分が載る時点で信じられなかったのに、表紙を飾るなんて想像もしていませんでした。きれいに撮っていただいた写真に感動しつつも、どこかピンとこないというか。正直、ちょっと違和感がありましたね。『なんで、私ここにおるん?』って(笑)。それに、ファンの方から聞いた話によると、純粋にグラビアだけをやっている人がソロで表紙を飾るのって、ここ数年では久々だったそうで。それを知って、さらにビックリしました。

ただ、こうしてお仕事をさせていただくなかで感じるのは、ファンの方の喜びが私にとっての喜びでもあるということ。私の活動を見て、ひとりでも多くの方が笑顔になってくれたら、私ももっと頑張りたいなって思えるんですよね。
そういう意味では、表紙を飾らせてもらったときも、私以上にファンの方が喜んでくれたのが何より嬉しかったです」

”ファンを楽しませること”もグラビアの才だとすれば、藤乃あおいは、グラビアアイドルにうってつけの女の子だろう。笑顔の絶えない人懐っこさ。ファンへの感謝を忘れず、一緒に楽しむ気持ちを持ち続ける、ナチュラルエンターテイナー。グラビアから伝わる大人びた気品は確かなものだが、グラビアの楽しさを語る際にひょっこり表れた天真爛漫なキャラクターには、思わず心をわしづかみにされてしまった。

「ファンの方からも『裏表ないよね』ってよく言われますし、実際ないと思います(笑)。グラビアをはじめてから、生活スタイルも働き方もガラリと変わって、毎日が新鮮ですけど、石川におったときから中身は何も変わっていません。地元の友達も、相変わらず仲良くしてくれていますしね。

そういえばこの間、初めて撮影会に来てくださった方に『藤乃さんじゃなくて、あおいちゃんやね』って言われたんですよ。写真で見ると、もうちょっと大人っぽい印象やったんかなぁ?でも実際の私は、みんなでワイワイするのが大好きなんです。飾らなさすぎる気もしますが、それでも『素のままでいるところが、あおいちゃんの良さやよ』って言ってくださるファンの方が多いから、私も素直に楽しみながら、ファンの方とお話しさせてもらっていますね。ほんま、いい人たちばかりなんです」

”人との繋がり”と”ノリの良さ”が豊かに彩る人生。藤乃あおいの話を聞いていると、何が起こるか分からない未来があるほど、毎日が楽しくなるのかもしれないとさえ思えてくる。
慎重に進むべき道を選ばなければならない場面もあるだろうけれど、身を軽くして、新しい世界に足を踏み入れてみると、知るよしもなかった自分の才に巡り合える可能性もあるのだと。

「2021年は怒涛の一年でした。あっという間に終わっちゃいましたね(笑)。今までにない経験をいっぱいやらせてもらえたので、とにかく楽しかったです。ただ、何も分かっていないまま突っ走ってきた感じはあるので、来年はもっとグラビアアイドルとしての意識を高めたいですね。とりあえず、本格的にボディメイクを頑張ってみようかなぁと思っています。公言した方が達成できる気がするので、頑張ります!

あとは、さらに多くの人に知ってもらえるよう、今年呼んでいただいた雑誌にまた来年も載せてもらえるよう、改めて、気を引き締め直したいですね。もちろん、より多くの雑誌で表紙も飾っていきたいです。今年、コスプレイヤーのえなこさんが15誌の表紙ジャックをやっていましたけど、来年『コンビニに藤乃しかおらん!』みたいな状況になったら面白くないですか(笑)?そうなったらファンの方も、地元のみんなも喜んでくれると思うので、実現できたら最高ですね」

【あわせて読む】「#10秒グラビア」で大バズり、水沢柚乃がストリーマー・yunocyに転身した理由

▽藤乃あおい
石川県の金沢から上京し、昨年7月にデビューしたIカップ“加賀百万石バスト”を持つ新人グラビアアイドル・藤乃あおい。リリースするDVDが軒並みランキング上位に入り、「DVD界のMP」の呼び声が高い。
Twitter:@Fujino_Aoi
編集部おすすめ