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今回は2021年のアイドル界を振り返ってみようと思います。そうなるとまず外せないのが、とき宣(超ときめき 宣伝部)の『すきっ!』がTikToKでバズったことでしょう。アイドルファンだったらグループ名くらいは聞いたことがあったと思いますが、何の前触れもなくいきなり世間で大流行しましたからね。それから新しい学校のリーダーズもTikToKでの浸透ぶりがヤバい! 彼女たちは日本以上に海外で人気だし、それこそBABYMETALみたいな「アイドル日本代表」になりつつあります。
要するにこれってテレビ番組のタイアップや広告代理店のプッシュがヒットの必須条件じゃなくなっているということ。とっくに解散した青森ナイチンゲールがTikTokで注目されている現象を見ても、芸能界が新しい時代に突入したことを痛感させられますね。面白いアイディアや質の高い楽曲があれば、誰でもスターになれる時代になったんです。個人で簡単に始められるし、アイドルの世界ではYouTubeからTikTokに動画の主流が移ったのかもしれません。
度肝を抜かれたニュースとしては、新たにデビューするハロプロのユニットが「OCHA NORMA」に決まったこと。……お茶の間って(苦笑)。大体、今は「お茶の間」という言葉自体が「ブラウン管」と同様に死語になっているじゃないですか。
まぁでもそこは百戦錬磨のハロプロだから、デビューまでにすごく高いクオリティで仕上げてくると思いますけどね。OCHA NORMAの母体となっているハロプロ研修生ユニットは、僕の主催するクロフェスにも出てもらったことがあるんですけど、パフォーマンスがカッコよくて本当にビックリしましたから。こんなトリッキーなグループ名にもかかわらず、シリアス路線で攻めてくるかもしれない。
あるいはコミカル演劇路線のBEYOOOOONDSを超えるサプライズ感を仕掛けてくるかも。いずれにせよ、ボールを置きにくるような真似はしないでしょう。グループ名を知った段階で早くも不安と期待が入り混じって混乱していますが、どんなステージを見せてくれるのか好奇心が抑えられません。
あと今年はAKB48が復活の狼煙を上げたという印象も個人的にはありました。『根も葉もRumor』のMVを最初に見たとき、「これだ!」ってガッツポーズしましたから。このシングルは地方の支店グループに頼らず、AKB48本店メンバーだけで挑んだ勝負作。
「AKB48グループ歌唱力No.1決定戦」の注目度が年々上がっていることも含めて、今のAKB48は本格的なパフォーマンス集団へ変貌を遂げている過渡期なんでしょうね。
ここからAKB48がV字回復するにあたり、キーパーソンとして挙げたいのがべりんちゃん(岡部麟)。彼女とは一緒にお仕事させてもらう機会も多いんですけど、コメント能力が異常に高いし、芸能的な勘がすごく働く子なんです。往年の前田敦子ちゃんに雰囲気が似ているという声も多いですしね。ますます活躍してくれることを期待しています。
アイドルを取り巻く環境に目を向けると、ファンから愛された会場がなくなった1年でもありました。USEN STUDIO COAST、ZEPP TOKYO、マイナビBLITZ赤坂……僕自身、何度もファンとして通いました。BLITZに関しては(アドバイザーを務める)豆柴の大群がワンマンをやる予定だったんですけど、コロナ禍で延期になり、その延期公演も結局はできないまま取り壊されてしまった。そこはすごく心残りです。
ただね、まだ予断は許さないとはいえ、緊急事態宣言も解除され、少しずつコロナ前の日常を取り戻しているのは確かですから。やっぱりアイドルの魅力が最大限に発揮されるのはライブだし、ファンの盛り上がりが大きく左右するもの。
それから最後に豆柴の大群について。今年はツアーも成功させて自信もつけたようだし、何よりも自分たちの個性を確立した年だったと思います。
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