今のAKB48を支える中心メンバー、村山彩希向井地美音。前作『根も葉もRumor』に続くハードなダンスナンバー、59作目のシングル『元カレです』が5月18日に発売する。
本田仁美率いる新曲を通じて、見せていきたいこれからのAKB48の姿とは—。そして、 “ゆーおん”が考える今後のAKB48、後輩への思いを聞いた。

【写真】AKB48を牽引する、村山彩希&向井地美音

──新曲『元カレです』を初めて聞いたときの印象を教えてください。

村山 振付の映像をもらったときが最初だったよね?

向井地 うん。だから、最初の印象はダンスむっず! みたいな(笑)。曲は今までのAKB48のシングルにはなかった感じ、という印象でした。

──今回もかなりハードなダンスが特徴ですね。

村山 私はどちらかというとパワフルに踊るのが好きなんですけど、この曲は力強さもありつつ、しなやかに踊るのがポイント。そういうK-POPのような身体の使い方は自分にはなかった知識だったので、そこは、ひぃちゃん(本田仁美)の背中を見ながら練習しました。

向井地 ひぃちゃんの女性らしい踊り方や髪の使い方は、今までのAKB48になかったものだから、私もそこは真似して取り入れたいなと思っています。今回はひぃちゃんがセンターだから、ひぃちゃんからの気合を凄く感じるよね。先頭に立って引っ張ってくれて、私たちも付いていかなくちゃって。
頼もしいです。

村山 ひぃちゃんからは、みんなで作り上げるんだっていう気持ちが伝わってくるよね。レッスンのときも、いい緊張感が生まれている気がする。

向井地 でも、楽屋にいるときは子どもっぽい一面もあって。ご飯が大好きだから、お弁当が届くと凄く喜んでたり(笑)。パフォーマンスのときとは別人だなって。ギャップが凄い!

──新たなダンスに挑戦しているなかで、AKB48らしい部分を挙げるとしたら?

向井地 サビに4つ、自由にポーズを取るところがあるんですけど、みんなバラバラなんです。個性的なところがAKB48だなって思います。

村山 最初は、同じポーズが多かったんですけど、みんなどんどん引き出しが増えていった感じです。私は山内瑞葵ちゃんと「どうやったらかっこよくできるんだろう」って。いろいろやってみるなかで殻が破れて、自分らしいポーズが出てきました。

──前作『根も葉もRumor』は、レコード大賞で優秀作品賞を受賞するなど話題となりましたが、その次に出すシングルとして意識していることはありますか。


向井地 やっぱり前作を超えなくちゃという緊張感やプレッシャーは、凄くあります。また違った方向性で、あっと驚かせていきたい。『根も葉もRumor』のパフォーマンスはとにかくガムシャラだったけど、『元カレです』は繊細な振付をぴったり揃える。そこを重点的に頑張ろうと心がけています。

村山 『根も葉もRumor』は、レコ大のときとか、今見返しても凄く振りが揃っていて。自分たちのものにできた。こんなに踊れるんだよ、と胸を張れる曲になりました。それを超えるためにも、まずは場数を踏んで完成度を上げていきたいです。あとは、後輩たちにも踊り継いでいってもらうものなので、しっかりとしたベースを作れるように頑張らなくちゃとも思います。そこは私たちの責任だよね。

向井地 そうだね。曲に対しての温度差も無くしていきたいな。
その曲の選抜とそうじゃないメンバーとでは当然練習量も違うから、仕方がないとは思うし、今70人以上いるから難しいんですけど、どの立ち位置のメンバーも同じ思いでAKB48に向き合うことができるようになったら、もっといいグループになるんだろうなと思います。シングルだけじゃなくて、舞台やライブ、それぞれの場所でメンバーが一致団結することが大事なのかなって。小さい単位でまとまることができれば、グループ全員が集まったときにも気持ちが一つになれるのかなと思います。

村山 私は劇場公演が大好きだからこそ、今後はそこで先輩としてやるべきことを、もっと見せていかないといけないなとも思う。17期生も入ってくるし、最近加入したチーム8の子たちにも教えてあげたいことがあるから。劇場に立ちつつ、メンバーと交流していきたいです。

──今作で見せたいAKB48は、どんなものでしょうか。

村山 いい意味でAKB48っぽくないねって言われたいです。アイドルっていうとキラキラのイメージがあると思うけど、また別のアーティストっぽいキラキラ感。それが出せたら、また1つレベルアップできるのかなと思うよね。

向井地 確かに! 可愛いとか、青春っぽさはこれまで出してきたと思うから、驚かせたい。AKB48って、何でもできるんだっていう印象を持ってもらえたらうれしいです。
クオリティの高いダンスもできるんだと思ってもらえるように、もっと練習を重ねないと!

──今春からは、新チームでの活動も始まりました。村山チーム4、キャプテンお疲れさまでした!

村山 達成感という言葉じゃ言い表せないくらいのやり切った感があります。なんかもう満足! みたいな気持ちになれました。

──後ろ髪を引かれる思いは?

村山 それは……正直あります。本当ならコンサートもやりたかったし。コロナ禍でできなかったこともあったけど、その中では全力を出し切れた、という感じです。

向井地 最初の頃、ゆうちゃんがキャプテンとして凄く悩んでいたのを見てたから、今こんな清々しい顔で「やり切った」って言っているのがうれしい。よく頑張りました!

村山 ありがとう。この後は、のびのびとやっていきたい(笑)。でも、先輩として引っ張っていくことは変わらなさそうだけどね。

──そして、向井地さんは新たにチームAのキャプテンに就任。

向井地 総監督とキャプテンは全然違うなとも思うので、今は楽しみな気持ちが大きいです。


村山 楽しみなのが凄いなぁ。どっちもやるってなったら私、爆発するよ。泣いちゃう(笑)。ちなみに総監督とキャプテン、どう切り替えようと思ってるんですか!?

向井地 えー、同じじゃない? 延長線上みたいな感じだよ。

村山 なるほど。でも、チームAはずるいよね。面子がずるい!

向井地 あはは(笑)。

村山 それこそ、なぁちゃん(岡田奈々)でしょ。1つ前のキャプテンが私以外全員いるし。ひぃちゃんもいるじゃん。個性のぶつかり合いはあるかもしれないけど、どういう化学反応が起こるか想像がつかない。

向井地 絶対楽しいよね。
でも、楽しいだけじゃなく、チームAを率先して引っ張っていけるように。正直、総監督としてはまだまだな部分が多いから、改めてリーダーシップを勉強できるチャンスだと思って頑張ります!

──そしてYouTuberの『ゆうなぁもぎおんチャンネル』も3年目。4人の仲良しっぷりが人気ですね。

村山 女の子から「YouTube見て好きになりました」って言われることが増えたよね。

向井地 こんなに影響力あるんだってびっくりじゃない? 

村山 うん。私は『ゆうなぁもぎおん』のおかげで素が出せるようになった部分もあるかな。ヤバいなと思うときもあるけど(笑)。

──晩酌動画とか、かなり素ですね。

村山 私、酔ってるときのおんちゃん、凄い好きなんですよ、人間! って感じがする。

向井地 人間って何(笑)?

村山 隙が見える感じ? メンバーのそういう部分を見ると、同じ人間なんだなって安心する(笑)。

向井地 ゆうちゃんは意外とお酒が強いよね。あの4人のなかだと一番大人。「大丈夫?」って心配してくれるし。実はお姉さんな一面もある。最近思うんだけど4人のなかで私たち〝ゆうおん〟が一番平和じゃない? 一緒にいる〝なぁもぎ〟(岡田奈々、茂木忍)が濃いから(笑)。

村山 分かる(笑)。〝なぁもぎ〟といると2人のテンションに引っ張られるけど、〝ゆうおん〟でいると素というか、まったりしちゃうよね。

──では最後に、お互いに今後期待しているところを教えてください。

村山 何かありますか、総監督!

向井地 えー!? あ、ゆうちゃんにはいつかセンターをやってほしい!

村山 やだー! まだごめんなさいだよ。

向井地 でも、やっぱりゆうちゃんのダンスのカッコよさや上手さを、もっとたくさんの人に知ってほしい。パワフルな曲でセンターやって!

村山 そんな激しい曲、みんな嫌がるよ~(笑)。おんちゃんは総監督として、あえて一歩引いてAKB48を見ることが多いじゃない? それも大事だけどもう少し前に出てほしいな、とも思う。普段主張しないところを、ドキュメンタリーとか……おんちゃんに密着したもので見たい!

向井地 じゃあ、誰かに撮ってください! ってお願いしなきゃ(笑)。

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