1992年のデビュー以来、グラビアでも活躍してきたタレントの矢部美穂。今年グラビアからの卒業&川崎競馬所属の山林堂信彦騎手との結婚を発表し話題を呼んだ。
そんな彼女に、「これまでの彼氏とはタイプが全然違う」という山林堂騎手とのなれ初めから、結婚で起きた意外な変化、さらに今後の夢について聞いた。(前後編の後編)

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【写真】結婚発表で話題、矢部美穂の撮りおろしカット【10点】

──4月に出されたDVD『お久しぶりです 矢部美穂です』をもって、グラビア卒業宣言をされましたが、この決断は結婚を受けてのものだったんでしょうか。

矢部 そうです。すごく迷ったんですけど、今まで応援してくださった皆さんがいて、今の矢部美穂がいる。感謝もこめて、今だったらまだ軽うじて綺麗な体だから頑張れると思って出しました(笑)。

──卒業ということですが、たとえば今後写真集を撮りませんかとなっても出しませんか?

矢部 公営競技……騎手の妻ですしあまりよろしくないと思うんですよね。そもそももう45歳ですし、やらないですよ(笑)。

──お話にも上がりましたが、今年5月26日に川崎競馬所属騎手の山林堂信彦さんと結婚されました。どういった流れで交際は始まったんですか?

矢部 出会ったときは、私は馬主で向こうは騎手という関係でした。もともと競馬のエージェントから馬を手放そうとしている馬主さんがいるけど買わないか、という話があって。お金がないと一度は断ったんですけど「絶対走るから買った方がいい」と勧められて、生命保険を崩して、その馬を買って……。

──えっ、生命保険を崩してまで競走馬を買ったんですか!?

矢部 本当にお金なかったんですもん(笑)。
それも税理士さんに「矢部さんは貯金できないけれど、生命保険だったらすぐ簡単におろさなくて済むからいいんじゃないですか」って勧められた唯一の貯金でした。それで、買ったブースターという馬に乗ったのが、山林堂騎手だったんです。

──競走馬がキューピッドなんですね。

矢部 それまで山林堂騎手のことは知らなかったし、自分の馬にはやっぱりトップジョッキーに乗ってほしいから、最初は「チェンジ 」ってすぐ言ったんです(笑)。でもエージェントに勧められてしぶしぶ乗ってもらったら、次々と奇跡を起こしちゃうわけですよ。ただ、当時はまだ好きという感情ではなく、騎手と馬主の信頼関係。タイプとかでもなかったですしね。でもコロナ禍で会うことも難しくなる中、馬の怪我とかの問題もあり、頻繁に連絡を取り合っているうちに仲良くなっていきました。

──矢部さんはこれまでの恋愛についてオープンにされていて、これまでは年上の人とずっと付き合ってきたのだとか?

矢部 年上としか絶対付き合わないし、結婚もしないと思っていました(笑)。これまで付き合ってきた人の数は少ないけど、1つひとつの恋の内容がドラマになるくらい濃いんですよ。中にはプロポーズしてくれた人もいましたし、この人と結婚するだろうなと思った人もいました。でも私の気持ちが結婚に向かなかったり、縁がなかったり……。


──ご結婚された山林堂騎手はこれまでと違って年下ですよね。どんな方なんですか?

矢部 優しい、穏やか、何でもいいよって言ってくれる(笑)。恋愛でいろいろ苦労してきましたし、性格が大変な人はもう懲りたんでしょうね。今の旦那さんはこれまでの人とは全然タイプが違いますけど、だからこそ最後の人だと思って結婚したんです。

──矢部さんはお父さんが元地方競馬の騎手でしたが、著書などでギャンブルにのめり込んだりと、女性周りで問題を起こしていた人だと明かしています。騎手に対するイメージはけしてよくなかったのではないですか?

矢部 ないですね。母も「ジョッキーはやめなさい」ってずっと言っていました。でも山林堂騎手が絶対浮気しないのは、うちの母も見ていて分かったみたいで、「優しいし旦那さんにするにはこういうタイプの人がいいわね」と言ってくれています。

──矢部さん、そしてお母さんが出演していた『アウト×デラックス』が今年3月に放送が終了しました。結婚報告は番組終了に間に合わなかったのでしょうか?

矢部 本当は合わせたかったんですけど無理だったんですよね。騎手と結婚するにあたって、ルール上の問題で馬主をやめなければいけなくて、所有名義をお母さんに変更したんですけど、その手続きが間に合わなくて......。後日マツコさんに報告したら「結婚するの、あんた」ってびっくりしていました(笑)。
彼氏がいることは言っていましたけど、騎手とは言ってなかったんです。

──結婚するまで、お付き合いの期間はどのくらいだったんですか?

矢部 2年ですね。本当はもっと早く結婚する予定だったけど、家族に「結婚を決めるのが早すぎる」ととめられて。周囲にも「彼が重賞を勝ってからにしたら」と言われたりしていましたね。そういう諸々に名義変更とかもあって、このタイミングになりました。そもそも騎手って事実婚はだめ、とかルールがいろいろ大変なんですよ。

──いろいろと制約も出てくるそうですね。

矢部 そう! 前は競馬場のパドックまでいって応援できたんですけど、結婚したことでダメになったんです。1階の一般の人のいるところにも行っちゃダメ。「応援したいのに行けない女」になってしまって(笑)。応援の横断幕も製作していて、川崎開催のときにパドックでつけるのが夢だったんですけど、できなくなりました。

──確かに厳しいですね。
結婚後は山林堂騎手と一緒に住まれるんですか。

矢部 いえ、母と経営しているYABEKEもありますから、母が元気なうちは通い婚になりますね。厩舎ですと部屋数も限られてきますし、私自身ものが多いのでマンション暮らしが好きですから(笑)。それに仕事していた方が張り合いもありますし、生きている感じがするんです。彼の仕事にもプラスに働くと思いますし、お互い働いて、欲しいものは自分で買うスタンスは変えないと思います! あ、もちろん家事はやりますよ(笑)。

──旦那さんは矢部さんのお仕事を見ていたりはするんですか?

矢部 グラビアは興味ないみたいです(笑)。最後のDVDを車で流したんですよ。でも全然観なくて、「ごめん。普段の美穂は好きだけど、芸能人の矢部美穂は興味ないんだよね」って言われました。ただ、ボートレースとか公営競技の番組に出ている私は「普段の美穂だから」って観て、感想もくれます(笑)。

──素敵なご関係ですね。結婚されて、今後の芸能活動はどうしていこうと考えていますか?

矢部 正直、分からないです。
見てくれるユーザーさん次第ですね。私はもともと夫婦漫才をやりたい人で、それが第二の人生だと考えていたんですけど、この間2人でインスタライブをやったときにすごくいい感じだったし、観てくれる方たちにもすごく良かったと言ってくれて。彼の醸し出す優しい、大らかな雰囲気と私の主導権を握っている感じのバランスよかった。だから夫婦で一緒にテレビに出られたらいいなとは思っています(笑)。

(取材・文/徳重龍徳)
▽矢部美穂(やべ・みほ)
1977年6月7日生まれ、北海道出身。A型。グラビアやバラエティを中心に活動。2019年には地方競馬の馬主資格を取得するなど馬主としても知られていたが、2022年5月の結婚を前に所有していた馬を母親に移譲した。
Instagram:miho.yabe.0607
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