【写真】“異性化”する夫の妻役を演じる新川優愛の撮り下ろしカット【7点】
──新川優愛さん、夏菜さん、白洲さんがトリプル主演するドラマ「個人差あります」は、突如、夫の性別が変わってしまう架空の設定「異性化」に翻弄される夫婦の物語です。新川さんはどんな役柄でしょうか?
新川 私の演じる苑子は小説家で、夏菜さんと白洲さんの演じる晶の奥さんです。ある日突然、夫が異性化して、心はそのままだけど体だけが女性になってしまう。その中で夫婦は戸惑い、悩み、苦しむんですけど、苑子は物語を通して、晶のことを一番に思って支えてあげようとする根本は芯の強い女性です。どうしたら女性という弱い立場になって、職場でも生き辛さを感じている夫の気持ちになってあげられるのか、どれだけ夫の悩みを軽減させられるのかを常に考えています。そういった献身的な姿は原作の漫画でも台本でも丁寧に描かれているので、そこを大事にして演じています。
──コメディのようなシチュエーションですが、しっかりと性の多様性に迫った作品ですよね。
新川 難しいテーマではあるんですけど、男だ女だと性別にこだわるのではなく、人として相手に魅力を感じて、その人を愛して、一緒にいたいと思う。そういった本質的な人間の気持ちを最終的にお届けできたらうれしいなと思って、現場ではみんなで悩みながらやっています。
──役作りでは、どんなことを意識しましたか?
新川 今回に関しては、普通に起こらないことが起こっているファンタジーに近い設定なので、情報としては原作と台本を読み込んでいくというのが一番の勉強でした。
今まで一人二役の方と共演した経験はありますが、二人一役の方と対峙させていただくのは初めての経験です。難しいですけど、どう苑子が夫に寄り添って一緒に立ち向かうかというところを意識しています。
──夏菜さん、白洲さんとの共演はいかがでしたか?
新川 夏菜さん、白洲さんとは共演経験があるので、遠い空気を持つお二人だと思っていたんです。ところが撮影前に三人でリハーサルをやった時に、すごく近い雰囲気を持っているというか、一緒にお芝居をしていて、同じ空気を感じたんです。なので意外とスムーズに、お二人それぞれの晶を受け入れることができてありがたかったです。
──新川さんは2022年だけでも多数のドラマに出演していますが、すぐに次の役に入れるものなんですか?
新川 私は器用じゃないので、なるべくスケジュール調整をしてもらって、撮影が重ならないようにしてもらっています。それぐらい一つの役柄に集中しないと難しいタイプなんですけど、スケジュールの都合上、どうしても二つの作品を並行してやらせていただくこともあります。ただ、そこまで「スイッチを変えよう!」という意識はなくて、ありがたいことに同時進行でやらせてもらうときは、かけ離れている役が多いので、現場の雰囲気も相まって自然と切り替わりますね。
──どんなときに俳優というお仕事にやりがいを感じますか?
新川 クランクアップの時です。コロナ禍になって、さらに実感したことなんですが、一つの作品を作るにあたって、一人も欠けずに、無事に走り切れるというのは本当にすごいことだなと、この2年間でたくさん感じました。
──クランクアップの瞬間は寂しさもあるんじゃないですか?
新川 ありますね。がっつり現場にいればいるほど、寂しさは大きいです。今回、トリプル主演でやらせていただいたお二人は先輩ですけど、すごく仲良くしてくださったので、終わったら、きっと寂しいですね(笑)。
──最後に改めて「個人差あります」の見どころをお聞かせください。
新川 私自身、原作と台本を読んで、男だから、女だからという枠組みから解放されて、ちょっと気持ちが楽になりました。最近、LGBTやLGBTQといったマイノリティーの方々の声を聞ける機会も増えてきましたけど、その人たちが見ても、楽になってもらえる作品になのかなと思います。
逆に「男と女でしか恋愛はしちゃいけない!」という頑なな考えの方もいらっしゃると思いますが、たとえば同性同士の恋愛を認めない、そんなのありえないという意見の方でも、ちょっと考え方が変わるきっかけになるような、多様性を提示できるお話になっています。最後までいろんなことが起こって、苦しんで、でも前に進んでいく、背中を押してくれるドラマなので、ぜひ見てください。
スタイリスト/ 星翔子
ヘアメイク/ 枝廣優綺
持道具/北川幸江
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