──一緒に仲よく遊んでいる様子がしばしばブログにアップされていますよね。そもそも2人は、どうやって急接近したんですか?
加賀 ハロプロ研修生に入ったのは半年くらい私があとだったんですけど、実際はほぼ同期みたいな感覚だったんです。それで自然と仲よくなったんですよね。
野村 私と山岸理子ちゃん(つばきファクトリー)はハロプロ研修生に初心者で入ったから、歌もダンスも全然できなかったんです。今考えると、本当に笑っちゃうくらい何もできていなかったんです。ところが自分たちではできていないことにも気づいていなかったので、先輩たちからは「あんまりできない子たち」って思われていたと思うんです。そして半年後にかえでぃーたちが入ってきますよね。そこでも「先輩としてビシッと鍛える」というよりは、「よかった。
加賀 確かに先輩っぽくは全然なかったかな(笑)。入ったばかりの頃、私と山岸理子ちゃんが一緒の舞台に出て、のむさんと一岡伶奈ちゃん(BEYOOOOONDS)が別の舞台で一緒になるということがあったんですよ。それで4人で一緒に過ごすようになりましたね。私の同期はかなとも(金澤朋子)がすぐにJuice=Juiceでデビューしたし、他の子も地方組が多かったんです。だから3人と一緒にいることが多くなったんだと思います。
──何か共通点があったとか?
加賀 共通点……特にそういうのはなかったですね。何となくぼんやり一緒にいる感じかも(笑)。
野村 でも、いっちゃん(一岡)は変わり者だったよね。あと、かなりの食いしん坊だった。よく覚えているのは、当時の私って母に渡されたパンをいつも持ち歩いていたんですよ。
加賀 素直に「ちょうだい」って言えばいいのに(笑)。
──2人もしくは4人でいるとき、どんな会話をしているんですか?
加賀 お仕事の話をすることもあります。「こぶしのライブは、ここがいいよね」とか。でも、真面目な雰囲気になることはそうそうないか。大抵は一岡・山岸というド天然な2人がとんでもないことを言い出して、そこにのむさんが同じノリで合わせるパターン。大変なんですよ、まともなのが私しかいないから(笑)。
──じゃあ4人を仕切るのは主に加賀さんの役目?
加賀 そうなることが多いですね。遊びに行く場所を決めたりとか、時間の段取りをしたりとか。
野村 私は……ほぼ何もしていません(笑)。「それ、いいんじゃない?」とか言っているだけ。
──移動に関しては、電車に明るい一岡さんも心強い存在では?
加賀 いや、ダメですね。単に電車が好きなだけですから。「この車両はね……」とか豆知識を延々と語られるんですけど、こっちが求めている情報はそこじゃない(笑)。
──研修生はデビューを目指す集団ですよね。バラバラの時期に別々のグループに所属することになり、4人の関係性も変わったとか?
加賀 それは、あまりなかったです。こぶしとつばきは、デビューしてからも研修生発表会に出ていたじゃないですか。だから、あまり遠くに行ったという印象もなくて。
野村 むしろ研修生で一緒にいた頃より、離れてからの方が4人で話す時間は増えたんじゃないかな。
加賀 そうだね。デビューできないことに対する焦りっていうのは自分の中でありましたけど、「仲よかったのむさんや山岸がデビューしたから気まずい」とか、そういう気持ちでもなかったんですよね。
野村 いっちゃんは今まで通り遊びに誘ってくれたし、研修生のことで「どうしたらいいかな?」って相談してくることもあったんですよ。いっちゃんは研修生の中で先輩になっていましたから。
──どんな相談をするんですか?
野村 やっぱり一番はパフォーマンスのことかな。たとえばダンスで言うと、全体として揃っているかどうかっていうことは、みつばちまき先生が教えてくれることなんです。だけど個人としての見せ方っていうのは、それぞれ自分で考えるものじゃないですか。そこの部分で意見を聞かれたりしましたね。私も「こうした方がカッコいいと思うよ」って自分なりの意見で答えましたし。
加賀 のむさんと山岸がデビューしたことで、私と一岡は研修生の中で一番上の存在になったんです。それで今までとは違う反省会のやり方を導入したり、変化を出そうとしていて。そういうことも4人で話して決めていました。4人全員がデビューしてからも、一番頼りになる相談相手っていう意味では変わらなかった。カメラに抜かれたときの表情、キメのときのポーズをどうするか、歌い方の問題……そういうことをいつも尋ねています。
──それだけ一緒にいれば、変わった事件も起こるのでは?
加賀 印象深いのは、4人でお寿司屋さんに行ったときですね。
──回る店ですか?
加賀 もちろんです。回らないお店は金銭的に手が出ないので(笑)。
野村 なんなら新幹線とかも走っているようなお寿司屋さん(笑)。
加賀 それで茶碗蒸しを食べようということになったんですけど、そのお店はタッチパネル式で、「三つ葉あり」「三つ葉なし」の2種類が表示されていたんです。そうしたら、のむさんが不思議そうに「三つ葉って何?」って言い出したんですね。
野村 うん、言った。素で意味が分からなかったからね。
加賀 そうしたら一岡が自信たっぷりに「三つ葉のクローバーだよ!」って言ったんです。まずこの時点でおかしいじゃないですか。なのに山岸は「それを言うなら、四つ葉でしょ?」って冷ややかにつっこんでいるんです。そういう問題じゃないだろって(笑)。もう何から何まで全部が間違い。
──この2人だけで遊びに行くことはないんですか?
野村 1回だけあります! そのときは4人で遊ぼうという話だったんだけど、いっちゃんが「ちょっと体調が悪い」と言ってきたんですよ。そのあと理子ちゃんも「実は私も予定が入った」みたいなことを言ってきたので、結局、私とかえでぃーで遊ぶことになって。2人でテーマパークに行き、それ自体はすごく楽しかったんですけどね。
──体調を崩したり予定が入ったのなら、仕方ないじゃないですか。
野村 いや、それが……。あとから知った話だと、その日、いっちゃんと理子ちゃんの2人は一緒に遊びにいったらしいんです(苦笑)。
加賀 私は何となく勘づいていたんですけどね。だって、おかしいじゃないですか。そんな立て続けに「体調崩した」「予定できた」なんて。その時点で内心では「あっ、こいつら……やりやがったな」と(笑)。
──向こうの2人は、そのテーマパークに興味なかったのでは?
加賀 あぁ、それはあるかもしれないな。あっちの2人は映画を観にいっていたみたいなんですよ。それもラブストーリー系の。私たち2人はそういうのが興味ないって思われていたのかもしれない。
──今後、この2人で……あるいは一岡さんと山岸も加えた4人でやってみたいことはありますか?
加賀 いつか4人で韓国旅行したいですね。でも、そのためには最低でも2日の休みが必要だと思うんです。今はグループが別々だから、なかなか2日間オフが重なるっていうのは難しいでしょうけど。
野村 新大久保でごはんを食べているとき、「4人で韓国に行きたいよね」っていう話が出たんです。というのも理子ちゃんといっちゃんが20歳になったから、「大人が2人もいるんだからさ、海外もありなんじゃない?」ってことになって。
──大人になることで人間関係が変わることがあります。4人も研修生で出会った頃とは違うはずだし、お酒を飲みながら「女の幸せって何?」とか言い出すんじゃないですか。
加賀 え~、嫌だ! 3人の口からそんな話は聞きたくない(笑)。
野村 でも、ひょっとしたら4人の仲が悪くなることだってあるかもよ。意見が違ったりしてさ。
加賀 それで言うと、意見は今も違うじゃん。持っている感性もバラバラだし。でも、それは別に悪いことじゃないと私は思う。
野村 まぁね。違うからこそ、話していても楽しいんだろうしね。私はこれからもずっと気楽な関係でいられたらいいと思うな。
──先の話だとは思いますが、やがては4人の中からハロプロを卒業するメンバーも出てくるでしょう。それでも今まで通りの関係が続く?
加賀 たぶん続くと思います。たとえばの話ですけど、芸能界を辞めるとか他の事務所に移るとかいうことになっても、友情という部分は変わらないですから。
野村 私、思うんですよ。バラバラのグループでよかったなって。同じグループでパフォーマンスしているメンバーだと、どうしても「負けたくない!」っていうライバル心が出てきちゃうので。こう見えて私は負けず嫌いなので、ライバルだと思っている人に「こうした方がいいと思うよ」とか優しくアドバイスできる自信がないです。
加賀 そうだね。違うグループでよかったというのは私も思う。
──そこまで聞くと、ハロコンやひなフェスで4人のユニットを観たい気持ちになりますね。
加賀 もし本当にそうなったら、ユニット名はお寿司屋さんのエピソードからとって、「四つ葉」で決まりかな(笑)。でも、統一感がなさそうなユニットになりそうだな~。
──夢が広がりますね。あのミニモニ。だって、最初の始まりは非公認ユニットでしたから。
野村 えっ、そうなんですか!?
加賀 知らなかった? ミニモニ。って、つんく♂さんが考えたわけじゃないんだよ。矢口(真理)さんとかが勝手に始めたことなんだって。
野村 ……ってことは、四つ葉も?
加賀 そこは大丈夫。私たちは会社の偉い人に直談判するだけの勇気は持ち合わせていないから(笑)。
(『月刊エンタメ』2019年4月号掲載)
のむら・みなみ
2000年2月10日生まれ、東京都出身。B型。こぶしファクトリー。ニックネームは「みなみな」。好きな調味料はコーレーグス。「人から頂いた、沖縄県の調味料です。七味唐辛子みたいに、そばにかけたりするんですけど、それがおいしくて! あと味噌も好きですね」
かが・かえで
1999年11月30日生まれ、東京都出身。A型。モーニング娘。’19。ニックネームは「かえでぃー」。好きな調味料はマンゴーチャツネ。「これを入れるとカレーが甘くなるので、中辛に入れると食べやすくなっていいんですよ。お母さんには絶対入れてって頼んであります」
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モーニング娘。’19 New BEST ALBUM
『ベスト!モーニング娘。20th Anniversary』
好評発売中

こぶしファクトリーNew single
『Oh No 懊悩/ハルウララ』
4月24日(水)発売
2人の対談は前ページで終わりだが、最終ページではボーナストラックとして、お互いが撮影したお互いの写真を公開。携帯の中の数ある写真の中から選んだ、仲良しだからこそ撮れた神ショットをご覧ください。
野村みな美イチオシ「これが加賀楓の神ショット」

野村みな美の解説
最近携帯が壊れて古いデータがなくなってしまったので、これは1月末くらいのすごく最近の写真です(笑)。かえでぃーのリクエストで、四つ葉の4人でサムギョプサルを食べに行ったときの1枚。この写真が可愛いのは、かえでぃーが紙エプロンをつけているところです。かえでぃーって女の子だけど男前だから、紙エプロンをつけないイメージが私の中ではあるんですよ(笑)。だから、「あのかえでぃーが紙エプロンをつけている!」という点がすでに可愛いなと思って選んでみました。普段は集合写真以外あんまり積極的に写真を撮らないけど、このときばかりは普段の男前っぷりとのギャップが可愛すぎて、思わず沢山撮ってしまいました(笑)。
加賀楓イチオシ「これが野村みな美の神ショット」


加賀楓の解説
上の写真は2017年夏のハロコンで撮った1枚。ハロコンでは普段はあまり会えない他グループとの子と写真を撮ろうと意識しているのでのむさんとも撮ったんですけど、特に可愛いと思ったのがこの1枚。下の写真はこぶしファクトリーとつばきファクトリーの合同コンサートを観に行かせていただいたときの1枚。1着目の衣装がそれまでにないくらい可愛い系で、珍しくて新鮮だなと思ってこっちも選んでみました。写真では伝わらないけど、私が思うのむさんの可愛いポイントは女子力が高いところ。料理が本当に上手なんですけど、前にのむさんの家に泊りに行ったときに、サラダに入れるクルトンを手作りしだしたのはさすがにびっくりしました(笑)。