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●いくつもの奇跡的巡り合わせを持つ映画『レスキュードッグ・ルビー』
1つ目は、アメリカ・ロードアイランド州を舞台に描かれる『レスキュードッグ・ルビー』(2022)。里親がなかなか見つからず処分間近の保護犬・ルビーと、警察犬部隊への入隊を夢見ながらチャンスに恵まれない警察官ダニエル・オニール(グラント・ガスティン)、運命的な出会いを果たした彼らが数々の試練を乗り越えるべく奮闘していくというストーリーだ。
全米で「実話だとは信じられない…!」と話題になったほどの奇跡的な展開の数々が見どころだ。
さらに、注目すべきはルビーのモデルとなった犬だ。彼は2018年にレスキュー犬賞を受賞し、いくつもの捜索救助現場で功績を残している。
ルビーを演じた犬・ベアも“本物の保護犬”であり、今作のトレーナーに処分寸前のところで救われたという驚きの撮影秘話を持つ。
こういったストーリー外での“奇跡の巡り合わせ”も相まって、SNS上では「エンドロールまで見ると、さらに感動で涙が止まらない」「本物の保護犬を訓練して映画を撮影したことに胸熱」と絶賛の嵐。
また、「厳しくも思いやりのあるザレラ隊長が素敵すぎる」「1番見習うべき人は、旦那・子ども・犬を分け隔てなく愛し、欠点も長所も全てを受け止め見守り続けた奥さん」とルビーとダニエルを支えた人々も観客の胸を打つ。
動物も人間も同じで、信頼がほしければ相手を信頼すること。改めてそう気付かされる作品と言えるだろう。
●主人公のたくましい生きざまに感涙『ウォーク。ライド。
続いては、『ウォーク。ライド。ロデオ。』(2019)という「馬」を題材にした映画。アメリカに住む主人公・アン(スペンサー・ロック)は大好きな馬術競技“ロデオ”で若くして数々の実績を積み、頂点を目指していた。しかし、交通事故で下半身不随になってしまう。
さまざまな困難を前にしながらも、父からプレゼントされた愛馬・パワー(通称・ババ)と“努力に勝る才能はない”という言葉を胸に再生を誓うアンを、思わず応援したくなる作品である。
驚くべきは、実話のもととなる人物のアンバリー・スナイダー本人が映画製作に参画している点。
彼女はプロデューサーとして名を連ねているだけでなく、騎乗スタントもこなしているのだ。また、彼女の愛馬・パワー自身も今作に出演。ロデオの迫力をモデル自ら魅せてくれている。
実際に視聴した人からは、「事故により落ち込みながらも諦めず、一生懸命練習に励むアンを見て号泣」「母親の前では泣いても兄弟が来ると強がったり、夜にこっそりリハビリするアン、本当に尊敬する」などとたくましい主人公へ絶賛の声が相次いだ。
また「お母さんの『車イスを翼にするか足かせにするかはあなた次第よ』という、核心をつきつつも愛溢れる叱咤激励が素晴らしい」と家族愛に感激するコメントも寄せられている。
“人生で起こることは選べないが、自分がどうありたいかは自身で選べる”ということを教えられた1作である。
●鳥の名演にも注目『ペンギンが教えてくれたこと』
最後に紹介するのは、『ペンギンが教えてくれたこと』(2021)。不慮の事故に遭い半身不随になってしまい、絶望の淵に立つサム・ブルーム(ナオミ・ワッツ)が、傷を負って飛べない小さなカササギフエガラスとのふれあいを通して、生きる意味を取り戻していく姿が描かれている。
主演のナオミ・ワッツは製作にも携わり、事実を忠実に再現するためにさまざまな工夫を凝らした。撮影は実際のブルーム家で行い、ブルーム一家に話を聞きながら撮影を進めていったという。
さらに注目すべきは、カササギフエガラスの名演。CGも使用しつつも、映画の90%以上は本物の訓練された鳥が演じているというから驚きだ。この事実に、「どうやって調教したの!?」「名優のカササギたちに賞をあげてほしい」と視聴者から驚きの声が続出。
また、「昨日できていたことが、突然できなくなる喪失感は計り知れない。ちょっとずつ日常を取り戻す主人公の姿にはとても共感する」「支えてくれる人が周囲にいると、かえって“自分は無力である”と突きつけられるようで自暴自棄になってしまう気持ちも分かる」と主人公に共感する意見も多数寄せられた。
ブルーム家の誰しもに共感できるシーンがあるため、配偶者として、親として、子どもとして、それぞれの立場に当てはめて鑑賞してみても面白いかもしれない。
3作とも実話だからこその説得力があり、見ている視聴者側も勇気づけられる仕様になっている。また動物がテーマでありつつも、支える人の大切さ・温かさも再確認できる内容であるため、涙なしには見られない作品ばかりだ。
そして、実話映画の醍醐味は、何といってもエンドロール。モデルとなった本人の映像や映画にまつわるエピソードが流れるので、ぜひ最後まで鑑賞してほしい。
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