芸能人同士が期間限定の夫婦となり、結婚生活を送る結婚モキュメンタリー番組『私たち結婚しました』シリーズ(ABEMA)。韓国の国民的大ヒット番組を日本版にリメイクした同番組は、「もしも、あの芸能人たちが結婚したら…!?」というテーマのもと、夫婦となった芸能人同士の結婚生活が描かれている。


【写真】キスシーンも話題になった久保田悠来&貴島明日香ペア、瀬戸利樹&紺野彩夏ペア【7点】

シリーズ最新作『私たち結婚しました 4』(ABEMA)にて夫婦となったのは、久保田悠来(41)&貴島明日香(26)ペア、瀬戸利樹(27)&紺野彩夏(23)ペアの2組だ。2022年11月4日に放送が開始され、第1話のリアルタイム視聴者数は、シリーズ過去最多を突破するほどの人気ぶり。「『わた婚』を観てると癒される」「胸キュンが止まらない」など、数多くの視聴者を虜にしている。

同番組のほか、ABEMAの人気恋愛番組『今日、好きになりました。』シリーズなども担当しているのがマーケティングプロデューサーの吉澤美玖氏。若者の恋愛離れなども囁かれる今、リアルとフィクションの絶妙なバランスの“モキュメンタリ―”で視聴者を魅了する番組を手掛ける吉澤氏に、令和の恋愛番組の作り方と、いま支持される理想の夫婦像を聞いた。


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元々、同番組は韓国で2008年から約9年間レギュラー放送された国民的大ヒット番組『私たち結婚しました』の日本版リメイク。シーズン1は2021年に放送された。

「シーズン1が放送される以前のABEMAは、10代の若者が主なターゲットの恋愛番組を多く手掛けていました。そこから “ターゲット層をもっと広げよう”と模索している最中で、韓国で放送されている『私たち結婚しました(通称:わた婚)』の日本版制作が候補に上がりました。疑似ではあるものの、『芸能人の結婚生活』という、が20~30代女性に興味を持っていただけるテーマで、恋愛番組を多数手掛けてきたABEMAの強みが活かせるのでは?というのが制作のきっかけです」

その後、現在放送中のものも含め4シーズンに、野村周平&さとうほなみと白洲迅堀田茜(シーズン1)、浅香航大トリンドル玲奈と塩野暎久&足立梨花(シーズン2)、佐野岳島崎遥香中田圭祐川島海荷(シーズン3)など、様々な芸能人が期間限定の夫婦として結婚生活を送ってきた。吉澤氏によれば、出演者を検討する際は、あえて“理想とされる夫婦像”に縛られないように意識しているのだという。


「年の差婚とか交際0日婚とか、現代の結婚の形って多様化していると思うんです。“夫婦とはこういうものだ”みたいな固定概念や常識がなくなり、いろんな夫婦の形がある。形はいろいろありながら、相手に寄り添う気持ち、味方でいてくれる存在というのが変わらぬ夫婦の良さであり、それぞれの夫婦の色が出てくる部分だと思うので、そういった部分を大事にするようにしています」

シーズン4で夫婦生活を送っている久保田悠来&貴島明日香夫婦は、41歳と26歳で、15歳の年の差が特徴的な夫婦だ。年齢を変えることで決まった形に縛られない“新しい夫婦像”を伝えたかったと語る。結婚=20代~30代というイメージの払拭を狙ったのだ。

シーズン4ではタキシードとドレスを着た2人が結婚式で出会うところからスタートした。
プロポーズ、夫婦の誓いをすませて一緒に暮らす新居へ。2人の距離を近づけるための様々な“ラブミッション”も用意されいる。だがそこでの2人のリアクションや抱く感情は筋書きがあるわけではなく、その絶妙なバランスが視聴者を魅了している。

第8話では、温泉を訪れた久保田&貴島に、「妻のために即興で子守唄を歌い、眠り際におやすみのキスをしてください」というラブミッションが登場。それに従い、久保田が貴島の鼻にキスをしたところ、貴島が「鼻なの? 口でいいじゃん」とまさかの発言。一瞬驚いた表情を見せた久保田が首を伸ばして唇にキスをした。


同じくシーズン4で夫婦生活を送る瀬戸&紺野も、訪れた旅館のベッド脇にラブミッションカードを発見。「今の気持ちがいちばん伝わる方法でおやすみ」という自由度が高いミッションに2人は1分間至近距離で見つめ合ったあと、瀬戸の方から紺野に近づき唇にキス。それまで瀬戸が “究極の焦らしプレイ”と称されるような “キス未遂”を繰り返してきただけに、視聴者からは「やっと!」「おめでとう。待ってた」との反響が寄せられた。

どちらも夫婦生活を送るようになって初めてのキスだが、そこに到るまでの2人のやり取りや終わった後のリアクションはリアルのよう。当然、夫婦によってその形は違ってくる。


「あくまで“結婚モキュメンタリー”なので、設定による疑似結婚。言ってしまえば入口はウソになるのですが、そういった非現実的な世界観の中で垣間見える、その2人だったからこそ導かれた夫婦の関係性やストーリーがあるからこそ響くものがあると考えています。入口の設定や、夫婦のきずなを深めるラブミッションのきっかけはありつつも、夫婦ごとの関係性や2人の感情の全てを作れるものではない。思ってもいなかった夫婦たちの感情が見えてきたり、ふとした言葉に嬉しい予想外の驚きを感じることもたくさんあります」

放送後、SNSによく投稿されている感想が「キュンとした」だ。2組のキスシーンでも多く聞かれた感想がこれだった。

「キュンとするときって、想定してなかったことをされたときに生まれる感情だと思っていて。
サプライズとかもそうだと思うんですけど、自分の予想してなかったことをされるとキュンとする人が多いと思います。なんかこの人、調子狂わされるけど気になるみたいな。いわゆる“沼”ですね。掘れば掘るほどその人の沼にハマっていくような。お決まりの必勝パターンでは心はなかなか動かなくて(笑)。『わた婚』では、出演者たちの“予想してた一面”とは違った部分をたくさん知ることができる内容になっているので、出演者の沼にハマっていくような感覚で楽しんでいただけているのかなと感じます」

“期間限定の結婚生活”という設定、現実世界では与えてもらえない“ラブミッション”というイベント要素、だが、それらはあくまでも土壌にすぎない。そこから生まれる意外な行動やリアルな感情がこの番組、最大の魅力なのかもしれない。

「期間限定の結婚生活だからこそ、夫婦たちは何気ない毎日を大切に過ごしています。そんな何気ない日々のちょっとした瞬間に垣間見える愛情を、視聴者の方々にも感じてもらえたら嬉しいです。今はオンラインで簡単に人と繋がることができ、出会いの幅も広がって恋愛や結婚の価値観も多様化していますが、全部のことが便利になった現代の中でも“人と人との心の繋がりの大事さ”というのはこれからもずっと変わらないものだと思っています。パートナーがいること、誰かと過ごす何気ない一瞬の温かさが『わた婚』を通じて皆さんに伝わり、『わた婚』が皆さんの何気ない日常がより温かいものになるきっかけになるといいなと思います」

▼『私たち結婚しました 4』は、1月6日(金)23時から「ABEMA」にて放送する最終回を前に、1月4日(水)昼12時~5日(木)昼12時まで第1話~第9話を全話無料配信中。
URL:https://abema.tv/video/episode/90-1741_s1_p1

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