【画像】好きな漫画実写化作品ベスト10&ハマり役キャスト詳細
さらに全世界累計発行部数5億部を突破した尾田栄一郎の漫画『ONE PIECE』を、ドラマシリーズとしてNetflixが全世界独占配信することも発表。モンキー・D・ルフィをイニャキ・ゴドイ、ロロノア・ゾロを新田真剣佑が演じるなど世界各国からキャストを集結させる。
このほかにも野田サトルの人気漫画『ゴールデンカムイ』、『東京リベンジャーズ』『キングダム』の続編など注目作が目白押しの実写化作品。しかし漫画実写化には、賛否両論が巻き起こることも少なくない。今回、ENTAME nextは「Yahoo!クラウドソーシング」を通じて全国の10代から60代に「漫画の実写化映画」に関するアンケートを行い、2000人から有効回答を得た。世間は漫画実写化作品について、どのように感じているのだろうか。
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まず今回のアンケートで、好きな実写化映画作品の1位に輝いたのは、2012年公開の『るろうに剣心』(14.8%)だ。和月伸宏による漫画『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚-』を、大河ドラマ『龍馬伝』などで知られる大友啓史監督が実写映画化。第一作目は興行収入30億円を超えるヒットを記録し、5作品が作られた人気シリーズだ。
2位は『テルマエ・ロマエ』(9.2%)。
3位の『デスノート』(8.5%)は、大場つぐみ(原作)、小畑健(作画)による漫画『DEATH NOTE』を映像化。2006年に公開され、主人公・夜神月役の藤原竜也、ライバルL役の松山ケンイチの演技派対決も話題となった。
4位以降は『ALWAYS 三丁目の夕日』(7.6%)、『海猿』(7.4%)、『のだめカンタービレ』(7.0%)などの人気作が続き、そのほかにも『翔んで埼玉』『キングダム』『ごくせんTHE MOVIE』『カイジ』など多彩な作品が挙がっている。
これらの映画作品を好きな理由について聞いたところ、「役者のキャラクター再現度が高いから」が29.8%ともっとも多く、次に「原作へのリスペクトが強いから」が16.2%。「好きな役者が出演しているから」も14.9%と高く、実写化作品のキャスティングの重要性を物語る結果となった。
その他にも「映画オリジナルのストーリーが面白いから」(9.9%)、「ストーリーが原作に忠実だから」(9.6%)と映画独自の要素を評価する声と、原作を尊重する姿勢に好感を持つ人とで意見がわかれる面も。
好きな実写化作品の原作を読んだことがあるか?の問いには「漫画を読んでから映画を見た」と答えた人が43.9%ともっとも多く、「原作漫画は読んでいない」が32.4%だった。また原作未読のファンも「映像作品を見てから漫画を読んだ」23.8%)と答えていることから、実写化作品の場合、映画と原作どちらも楽しむ観客が多いことがうかがえる。
ハマり役だと思った俳優については、『るろうに剣心』で主人公・緋村剣心役を好演した佐藤健をあげる人が10.1%ともっとも多く、続いて『テルマエ・ロマエ』ルシウス役の阿部寛、『のだめカンタービレ』の上野樹里がランクイン。
いずれもキャラクターのルックスや雰囲気と、俳優の役作りがぴったり重なったキャスティングが好感を得たようだ。その他にも『デスノート』の松山ケンイチや『デスノート』『カイジ』など実写化常連の藤原竜也、『海猿』で仙崎大輔を演じた伊藤英明を推す声もあった。
今後公開予定の映画で期待している作品は?という問いには、田村由美原作の『ミステリと言う勿れ』(15%)、『翔んで埼玉Ⅱ』(13.9%)、『キングダム運命の炎』(13.1%)など、すでに映像化に成功している作品が人気だった他、『沈黙の艦隊』、『岸辺露伴 ルーブルへ行く』、『ゴールデンカムイ』、『東京リベンジャーズ2血のハロウィン篇—運命—』、『聖闘士星矢The Beginning』、『劇場版推しが武道館いってくれたら死ぬ』などがあがった。
そして、好きな漫画が実写化される際に一番こだわってほしいポイントについては「キャスティング」をあげる声が51.1%と半数を占め、次に「ストーリーが原作に忠実であること」(32.7%)が続く、という結果になった。
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映画レビューサイト『超映画批評』を運営する映画評論家の前田有一氏はこう語る。
「アンケート結果を見ると、やはり実写化で重要なのは『原作への愛、リスペクトがどれだけ感じられるか』につきるのではないでしょうか。俳優ランキングでも、佐藤健さんや阿部寛さんなど、まさにキャラクターの持つ雰囲気やルックスにぴったりな人が選ばれている。漫画の面白さはキャラの魅力にも左右されますから、イメージ通りのキャスティング、というのは実写化において非常に重要なポイント。
また基本的に原作に忠実であることをファンは好むので、ストーリーや設定に余計な演出はいれないでほしいという人も多い。そのあたりをアンケート上位の作品は、上手にまとめられていた印象です」
前田氏によると、近年、漫画の実写化が増えている背景には邦画界の「安定志向」があるという。
「ハッキリ言えば、漫画の実写化というのは配給側にすると手堅い。すでに読者が居て、ある程度どのぐらいの人数が見に来てくれるか数値化しやすいのです。さらに最近は映像技術の向上によって、作品全体のレベルもあがってきています。以前は酷評されることが多かったSFやアクション漫画の実写化も原作ファンをがっかりさせない作品が作られるようになり、安定した興行収入を見込めるようになってきました」
前田氏は今後の映像化作品にも期待を寄せる。
「個人的に注目したいのは『沈黙の艦隊』。原作は重厚な軍事アクションで、内容も今の時代とマッチしている。潜水艦戦をCG やVFX技術などでうまく表現してくれるのなら、非常に面白い作品になるだろうなと思います」
ファンが多ければ多いほど賛否ある実写化作品。二次元と三次元の垣根を超え、既存の読者も観客も満足する作品にするためには、やはり「原作への愛」が一番大事なのかもしれない。
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