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普段も番組の中心はトーク。特定のテーマに沿ってEXITや安藤美姫、益若つばさといった他のニュース番組では見かけない出演者がトークバトルを展開する。そのお題も独特だ。「飲みニケーションの必要性」「コロナ収束で再開、修学旅行の意義」「TPOにあった髪型とは?」「組体操で裸になるのは?運動会の当たり前を考える」など、いかにも人によって意見が割れそうなものばかり。一体、どういった基準で内容を決定しているのか? 番組チーフプロデューサーの郭晃彰氏に話を伺った。
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「そもそもうちの番組の場合、企画会議がないんですよ。ネタ出し用のSlackがあって、ADから放送作家の方までスタッフはそこにポンポン思いついたテーマを書き込んでいく感じです。あとはTwitterとかで跳ねているネタを取り上げることもありますね。でも、一番多いのは出演者の方と楽屋でおしゃべりする中で生まれるパターンかもしれない。レギュラー陣が60人もいるから、それぞれ得意分野も違うわけです。
意識しているのは、時事ネタを扱う際も必ず“ひとひねり”を加えること。たとえば先日、岸田文雄首相の長男で、首相秘書官を務めていた翔太郎氏が辞職した。親族の忘年会で官邸で写真を撮っていた過去が発覚したからだ。これを「けしからん!」と糾弾するのは簡単だが、“親バカのプラス面”にも光を当てたら面白いのではないかと『ABEMA Prime』は考えた。子供の失敗に対して「お前は大丈夫だ」と親がかばい続け、社会的に成功したパターンだってあるに違いない。この発想が、番組に他のニュースと違った切り口を与えている。
現在、『ABEMA Prime』で扱うコンテンツは、オウンドメディア「ABEMA TIMES」で活字化され、ニュース配信もされている。ネットニュースで番組のことを知る人も確実に増えてきているという。こうした流れに対し、最初は郭氏も「映像を作っている立場の人間からしたら、テキストではなく、動画で観てほしい」という気持ちで抵抗感を抱いていた。しかし蓋を開けてみるとライターチームが想像以上に優秀だったこともあり、放送後のコンテンツの広がりや活字メディアでの二次消費に意義を見出し、全面肯定派に転向したのだという。
「すごく自由にやらせてもらっていると思いますよ。番組には段取りらしきものすら存在しないですし。
郭氏はもともとテレビ朝日に勤務するテレビマン。自身の経験を踏まえてこう語る。「同じことを地上波でできたかといえば、それは無理だったと思う。報道としての正義と並行して、視聴率を取るというミッションもありますから」
「ABEMA」でニュース番組を制作することになったとき、藤田晋社長からは「君くらいの年齢の人(当時20代後半)がターゲットだから、自分が作りたいもの、自分が観たいものを作りなさい」と言われたという。
「目指しているのは、『みんなでしゃべるとニュースはおもしろい』という番組コンセプト通りの内容。お堅くて高尚な感じにはしたくないんですよね。オピニオンを戦わせるというよりは、ファミレスや居酒屋でおしゃべりしているくらいの温度感が理想。
■『ABEMA Prime』 放送概要
キャッチコピーは「みんなでしゃべるとニュースはおもしろい」。これまでの常識や価値観が大きく変わる中、今の時代らしい新しいネット言論に挑戦します。レギュラーメンバーは60人。色んなバックグラウンドをもつ論客たちと多様で新しい議論をお届けします。
放送日時 :毎週月~金曜 夜9時~夜11時 ※生放送
放送チャンネル:ABEMA NEWSチャンネル
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