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同映画で鈴木が演じる冴羽リョウといえば、90年代の“イイ男”の象徴とも言える存在。当時の男性はみな、冴羽リョウのようになりたかった。そんな彼が主人公の伝説的な漫画『シティーハンター』は、過去に数回実写化されているが、いずれも海外で作られた作品。歴代冴羽リョウを見てみると、まず香港で作られた実写映画がジャッキー・チェンで、フランスの『シティーハンター THE MOVIE 史上最香のミッション』がフィリップ・ラショーだった。
ファンの中のキャラクター像が強すぎると、逆に外国人俳優が演じたほうがすんなり受け入れられるという現象がしばしば起きる。そのため香港版もフランス版も、なかなかウケが良かった。しかし日本の映像作品として日本人キャストを起用するとなると話は別。やはりファンはより完璧な“冴羽リョウ像”を求めてしまうので、海外の実写化作品よりもハードルが高くなりがちだ。
ところが今回白羽の矢が立った鈴木に関しては、むしろ好意的な声のほうが多い。実写版『シティーハンター』の主演を鈴木が務めると発表されるや否や、ネット上は期待の声で溢れかえり、逆に実写化作品にありがちな「イメージと違う」「ホントやめてほしい」といったネガティブコメントは、ほとんど見られなかったように感じる。
どうやら漫画・アニメファンと鈴木の間には、謎の信頼関係があるらしい。今年3月に『はたらく細胞』の実写映画化が発表された際も、まだキャストなどの情報が何も知らされていない段階で、なぜか「鈴木亮平が出るなら見たいかも」といった声が上がっていた。ちなみに原作ファンは、鈴木に「キラーT細胞」を演じてほしいそうだ。
また来年公開予定の実写映画『ゴールデンカムイ』に関しても、キャスト欄に鈴木の名前が“なかった”ことが話題になり、「鈴木亮平は?」と首をかしげる原作ファンが続出。このように漫画やアニメの実写化は鈴木を起用すればなんとかなると思われている節があるようだが、なぜここまで絶大な信頼を寄せられているのだろうか。
その信頼感は、やはり“変態仮面”を演じてきた影響が大きいだろう。鈴木は2013年に第1作目が公開された『HK 変態仮面』シリーズで、パンティーを被ったほぼ全裸のヒーロー・変態仮面を熱演。15kg増の肉体改良を行ったうえ、さまざまな変態アクションを追究し、完璧な変態仮面を演じたことで、ファンから“どんな役でも完璧に仕上げてくる俳優”と認知されるようになった。
実際にその後も実写ドラマ『彼岸島』(TBS系)の宮本篤や、WOWOW×日テレ×Hulu共同製作ドラマ『銭形警部』の銭形幸一、映画『俺物語!!』の剛田猛男など数々の実写化作品に出演してきた鈴木だが、いずれのキャラクターも原作ファンに大好評。ただファンを納得させるクオリティにするためには、並々ならぬ努力が必要なようで、剛田猛男を演じた際には、役作りのためにおよそ1カ月で体重を約30kgも増やしたことを明かしていた。
ちなみに冴羽リョウ役に関しては、2015年10月期のドラマ『エンジェル・ハート』(日本テレビ系)にて俳優の上川隆也が同役を務めたことも。上川版の冴羽リョウも好評だったためハードルはますます高くなるばかりだが、きっと鈴木なら期待以上の『シティーハンター』を見せてくれるだろう。
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