人気ゲームシリーズ『ポケットモンスター』を原案とした初のオリジナルドラマとして、10 月19 日より放送が始まった『ポケットに冒険をつめこんで』(テレビ東京系)。作中では、原作ゲームをプレイした人たちが「これは……!」と思うような懐かしの小ネタが次々と繰り出されている。


【関連写真】ポケモンのゲームを手にする西野七瀬、『ポケットに冒険をつめこんで』場面写真

物語の主人公は、東京の小さな広告代理店「ADventure」で働く赤城まどか(西野七瀬)。夢を追いかけての上京だったが、思い描いていたキラキラした毎日とは程遠い現実が待っていた。

第1話では、同社の売り上げを支えていた太客の調理器具メーカー「犀印(さいじるし)」から広告案件の競合プレゼンを行うという通達が舞い込む。まどかは会社の命運を握るプレゼンを引き受けてしまい、悪戦苦闘を強いられる日々を送ることに。そんなときに実家からの荷物の中に『ポケットモンスター 赤』を見つけ、運命が大きく変わっていく――。

『ポケットモンスター』シリーズを通して、主人公が成長していくヒューマンドラマを描いた同作。作中にはゲームのBGMや効果音が使用されており、それ以外にもファンをニヤリとさせるポケモン要素が散りばめられている。

たとえば分かりやすいのは、主人公の地元が関東地方のとある港町「真白町」に設定されていること。『ポケットモンスター』ではカントー地方に位置する「マサラタウン」から物語がスタートするが、マサラタウンの“マサラ”は何の色にも染まっていない“真っ白”が由来となっている。主人公の原点という意味でも、ネーミングの由来から言っても、「真白町」がマサラタウンのオマージュであることは間違いないだろう。

また彼女の幼馴染である工藤美登里(内田理央)も、ライバルのデフォルトネームであるグリーン(緑)を引用したネーミングだ。彼女は大手広告代理店「Wonder Create」に勤めるエリート風の女性で、中身もグリーンに寄せているのか、自信家かつ嫌味ったらしい印象。
第1話では数名の取り巻きとともに登場しており、こちらはアニメ版のライバル・シゲルを彷彿とさせていた。

ほかにも「ADventure」の同僚たちは、名前や性格がポケモンにちなんだものばかりだ。桧山景明(笠松将)はいけ好かないタイプの男性で、公式サイトでは「炎が消えかけた『ヒトカゲ』青年」と紹介されている。

さらにデザイナー担当の目黒洋子(平野綾)は、仕事中にマッチングアプリを眺めるほど恋愛に飢えている「キュウコン」女性。説明するまでもないかもしれないが、きつねポケモン・キュウコンと求婚がかかっていたり、名前の洋子も妖狐が元ネタになっていたりと細部へのこだわりを感じざるを得ない。

また一部原作ファンのあいだで話題になったのは、まどかが行きつけにしているキッチンカフェ「ルージュ」だ。ここで働く女性は“まさこ”(佐藤江梨子)という名前なのだが、この名前に聞き覚えはないだろうか。

実は『ポケットモンスター 赤・緑』に登場するハナダシティのとある民家には、NPCがニョロゾとルージュラを交換してくれるイベントが存在する。そのルージュラにつけられていたニックネームこそが、「まさこ」なのだ。当時『赤・緑』をプレイしていた人の中には、その人間味溢れるネーミングに「まさこって誰だよ!」とツッコミを入れた人も多かったはず。

加えて10月26日に放送された第2話「いうことをきかない!」には、大御所コピーライター・加茂和尚(村松利史)なる人物が登場。彼のアシスタントが緑のスカーフを巻いていることを見ても、かるがもポケモン・カモネギが元ネタとなっている可能性が濃厚だ。


そして和尚という名前にも、どことなく聞き覚えが……。というのも、『赤・緑』のクチバシティにて、オニスズメと交換してもらえるカモネギのニックネームが「おしょう」だった。また、ドラマの和尚は気難しくて人の話を聞き入れない性格で、まさに「いうことをきかない!」というサブタイトル通りになっていたのだが、こちらはジムバッジの数が少ないと命令通りに行動しないゲーム内の設定が活かされているのだろう。

このように同ドラマに盛り込まれたポケモンネタは、『赤・緑』世代のノスタルジーを絶妙に刺激するものばかり。『ポケットに冒険をつめこんで』を通して、忘れかけていたあの頃の思い出を呼び覚ましてみてはいかがだろうか。

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