趣里が主演を務めるNHK連続テレビ小説『ブギウギ』(総合・月曜~土曜8時ほか)の第39回が23日(木)に放送され、スズ子(趣里)の母・ツヤ(水川あさみ)が天に旅立った。スズ子が両親の前で思い出の曲である「恋はやさし野辺の花よ」を披露する場面もあり、朝から涙する視聴者が続出した。


【写真】母の前で取り乱すスズ子、ほか『ブギウギ』第39回場面カット【5点】

ツヤが危篤だと知ったスズ子は、ステージを終えて大阪に戻ってきた。嬉しいはずの母親との再会が、こんな形になってしまうとはスズ子も思いも寄らなかっただろう。そこに、アホのおっちゃん(岡部たかし)がツヤに食べさせてあげようと桃を見つけてくる。かつて、体調を崩したスズ子のためにツヤが桃を探し回ったことが思い出され、そんなはずはないと誰もが思いながら「これで治るかもしれない」と桃に一筋の希望を託した。

あくる朝スズ子が目を覚ますと、添い寝していたはずのツヤの姿がない。スズ子が急いではな湯に向かうと、ツヤが病気などなかったかのように番台に座っていた。「枕元にあった桃食べたら、えらい元気出たわ!」と満面の笑みを浮かべるツヤを、スズ子は「信じられない」と言いたげな表情で見つめる。本当に桃が効いたのか?と思ったのもつかの間、ツヤは倒れ、また布団の中に戻らざるを得なかった。

心配そうなスズ子に「ごめんなぁ…ワテ、アンタともっともっとおりたかったわ」とツヤがか細い声で話し出す。スズ子は、危篤を知ってもすぐには帰らず、ステージで歌を歌っていたことを「どアホやわ」と詫びる。だが、ツヤはそれに対し、「どアホで上等やがな。さすがワテの子や」と咎めることはしない。


「アンタが生きるん、もっと見たかったわ。きっとおもろいやろうな。アンタが歌うん、まだまだ聞きたかった」というツヤに、スズ子は「お母ちゃん、ワテの歌もっと聞いてや」と子供のように泣き出し、二人の会話を聞いていた梅吉(柳葉敏郎)も静かに涙を流していた。

そしてスズ子は両親の前で「梅丸楽劇団、スイングの女王・福来スズ子が心を込めて歌います」と挨拶。震える声で「恋はやさし野辺の花よ」を歌いだした。この歌は、幼いころから、ある時ははな湯の常連客の前で、ある時は湯舟の中で、幾度となく歌われた思い出の曲。スズ子が”福来スズ子”ではなく、”花田鈴子”に戻った瞬間でもあった。スズ子の歌を聞いたツヤはこの日、天に旅立っていった。

母・ツヤとの別れに、視聴者からは「もう見られないなんて。もっともっと登場してほしかった」「ツヤさん最高のお母ちゃんだった」「ボロボロ涙こぼすスズ子が震える声で歌いあげたの圧巻すぎて…」「面影も幼いスズ子と重なり、震えるような声、息づかい、やはり生歌は訴えかけるものが全然違う」と悲しみの声が集まっていた。

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