2024年がいよいよ始まったが、振り返ってみると去年は芸人の解散が目立つ1年だった。『M-1グランプリ』(朝日放送テレビテレビ朝日系)で3年連続の準優勝を飾った和牛が12月に解散を発表したことは記憶に新しい。
9月には『キングオブコント』(TBS系)の決勝に二度進出した過去を持つゾフィー。

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また、1月にはコウテイ、5月にはなにわスワンキーズも解散を発表した。どちらも近々賞レースの決勝に進出するだろうと目されていただけに、驚いたお笑いファンは多い。賞レースの決勝進出経験のある実績十分な芸人だけではなく、ネクストブレイク候補として期待されている芸人であっても解散に踏み切ることは決して珍しくない。表面的には順風満帆に見えていても、様々な葛藤を抱えながら舞台に立っていることが伺える。

お笑い芸人に限らず、ミュージシャンなどの解散発表は往々にして突然だ。
しかし、芸人の場合、解散を発表した後、しばらくの間そのまま一緒に活動することはあまりない。ミュージシャンであれば解散ライブ、解散ツアーなどが実施されることもあるが、芸人にはそういった催しはほぼほぼない。実際ゾフィーは今年に単独ライブを予定していたが、解散をキッカケに中止にしている。

和牛、アキナ、アインシュタインの3組から成るユニット「アキナ牛シュタイン」の全国ツアーが今年に予定されていたが、やはり中止となった。和牛は3月末まで活動するとはいえ、基本的には“解散発表=即解散”である。解散発表したら最後、仮にチケットを持っていても、生でその芸人のネタを見ることはほぼほぼ不可能。


12月22日の『和牛のモーモーラジオ』(文化放送)内で、川西賢志郎は「そういうふうな一個フィルターがかかった状態でやるっていうことが、ちょっと違うんだろうな」「お客さんもハンカチ握りしめて来ちゃうとさ」という。

「解散してしまうコンビ」「もう二度と2人の漫才を見られないかもしれない」というフィルターが観客に入っている状態で漫才はできないと話している。そういったフィルターはもちろん、信頼関係が揺らいだり、同じ方向を向いていなかったりなど、相方に対する不安を抱えた状態でネタをやることはできないため、一緒に舞台に立つことを拒否するのかもしれない。

お笑い番組やお笑いライブなどで披露しているそのネタは、もう二度と見ることはできない可能性を大いに含んでいる。だからこそ、お笑いライブを始め、様々なイベントには「また今度でいいや」と後回しにせず、興味があれば多少無理をしてでも参加しておいたほうが良いのではと思わせられる1年だった。

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