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「UNDER5 AWARD」は今年で2回目の開催。
Aブロックではセンスあるコントを見せるキャプテンバイソン、Bブロックは清川、Cブロックは音を使ったコントを得意とするツンツクツン万博が勝ち上がり、3組が2本目のネタを披露した。ファイナルでは清川が7人中5人の票を獲得し、エントリー総数2001組の頂点に立っている。
清川が見せた2本のネタはまさに“芸”そのもの。1本目では腹話術と輪唱を組み合わせるというネタで、物理的に不可能なことに慌てながら挑戦する姿で笑いを誘った。「ありそうでなかった」(長田)という評価も納得で、お笑いに精通していない人であっても、何も考えずに笑うことができ、MCのニューヨークや笑い飯の哲夫も絶賛。哲夫の「涙を流して笑った」や塙の「お年寄りの方は絶対に笑うネタ」という言葉に首肯する人も多いだろう。
2本目は口にハーモニカを入れて吹きながらホッピングをしつつの縄跳びやけん球芸を行い、より大道芸に振り切った。長田は「この芸歴で大道芸を極めているのがすごい」と評価したが、まさにすべてをやり切るパフォーマンスで票を集めた印象だ。1本目と比べると、笑いの総量こそ少なかったかもしれないが、すべての大道芸をミスなくこなし、そのうえであわやホッピングから落ちてしまうのではというステージ上での動きによって、観客の心もぐっと引き寄せることに成功している。
23歳という若さで栄冠を勝ち取り、この日見せていない芸として“紙切り”なども得意とする清川。
また、個人的に笑わせてもらったのがキャプテンバイソン。UNEDER5では2年連続準優勝と涙をのむこととなったが、コントのセンスは若手ではピカ一。とりわけ1本目で見せた強盗のネタでの「バッグはあれくらい必要か」や「(服装が)ニンテンドースイッチみたいだもんな」といったワードは、まるでかゆいところに手が届いたように観客の爆笑をさらっていた。審査員の野田クリスタルも「キングオブコント決勝にいてもおかしくないくらい」と絶賛しており、今後も賞レースでよく見る顔となるかもしれない。
奇しくも漫才師がファイナルラウンドに進出することはできなかったが、Bブロックで清川と競って7票中3票を獲得した家族チャーハンにも触れておきたい。テンポ感やワードの強さも申し分なく、結成2年目ながら、高い完成度の漫才を披露。すでに『ネタパレ』などでも活躍しているが、遠くない未来にタイトルを獲得しうる漫才師だろう。
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