連続テレビ小説『おむすび』(NHK)でギャルのムータンを演じ、注目を集めた浅川梨奈。だが、その素顔はギャルとは正反対で、「ディズニーとマンガを愛する筋金入りのオタク」と自称する。
2025年春には主演映画の公開や舞台出演も控えている彼女が、オタク気質を活かした役作りやこれからの夢をたっぷり語った。(前後編の後編)

【写真】朝ドラ出演で注目、浅川梨奈の撮りおろしカット【10点】

──昨年は『どうか私より不幸でいてください』(日本テレビ系)で吉谷彩子さんとダブル主演を務め、姉に嫉妬して陥れていく妹を演じ、話題になりました。

浅川 吉谷さん演じる姉の夫を奪ってしまうような、悪い妹の役だったので、毎日SNSでアンチのようなコメントが来ました(苦笑)。でもそんなに嫌われることは、逆に言えばそれだけ作品にのめり込んで観てもらえているんだなと思いましたし、注目されているならいいことかもしれないとポジティブにとらえていました。

──アンチも注目の裏返しであると。

浅川 いちいちネットを開いて文字を打って……と、批判するにそれだけの手間を割けるって、やっぱり相手のことが気になるからだと思うんです。私の周りにも、評判を気にしてしまったり、嫌なことを嫌と言えない不器用な子は多いですけど、一度きりの人生なんだから、こんな風にポジティブに考えて自分が苦しくならない生き方ができればいいなと思います。

──SUPER☆GiRLSやグラビアでの活動を経て、今は俳優業をメインに活動しています。グループとソロを経験して、思うことは?

浅川 チームでいると「誰かがやってくれるから」と甘えてしまう性格なんだなと再認識できました。演技のお仕事だと評価が全部私に降りかかってきますが、そうやって自分がすべての責任を負える方が好きだし、気持ちが引き締まりまるなって。

──演技のお仕事でいえば、3月1日からは舞台「きたやじ オン・ザ・ロード~いざ、出立!!篇~」に、春には、主演映画『49日の真実』も公開されます。

浅川 舞台自体まだ数えるほどしか経験がないのに、時代劇も初めてです。
だから不安は多かったんですが、稽古が近づくと楽しみになってきました。ちょうど「これからは逃げない」って目標を立てているので、歌も所作も真正面から挑戦していきたいです。

『49日の真実』はサスペンスですが、私が演じる高橋まどかをはじめ、普通の女の子たちがひとつの家に集まって、事件を解決していきます。だからいかにもお芝居をしている感覚ではなく、自然なテンポ感の会話で進めていきました。先に台本で真相を知ってしまっているので、(真相を)知らない風を装って演じるのも新鮮でしたね。

──さきほど「逃げない」を目標に挙げましたが、そう思ったきっかけはあったのでしょうか?

浅川 去年は挑戦的な作品にたくさん出させていただきましたが、自分の中で合格点と思えるレベルで妥協してしまっている部分があったかもしれません。それをこれからは貪欲に、100点、200点を目指していかないといけないと思っています。

──一方で、役者として成長している、と思うポイントはありますか?

浅川 それが、なかなか「上手くなった」と実感できることはなくて……。ただ、お芝居を通して伝えたかった作品や役への私なりの解釈が、視聴者の方に伝わることが多くなったなとは思います。「見てくれた方にこう感じてほしい」は毎回どの作品でも考えていることなので、よりストレートに皆さんに伝わることが成長の証ですね。

──“オタク”として役を突き詰めていくことが好きな浅川さんなら、それらも叶えていけそうですね。

浅川 ディズニーはじめ好きなことはたくさんあるので、これからは趣味をお仕事につなげるのも、狙っていきたいですね。
まずは可愛い子を撮るのが好きなので(笑)、パークで鍛えカメラ腕を活かせるお仕事もお待ちしています!

>>前編【朝ドラ『おむすび』のギャル役で注目、浅川梨奈の役作り「生まれる前の流行を吸収しながら」】

(取材・文/大宮高史)

▽浅川梨奈(あさかわ・なな)
1999年4月3日生まれ、埼玉県出身。代表作に映画『人狼ゲーム マッドランド』(長編映画初主演)、映画『かぐや様は告らせたい ~天才たちの恋愛頭脳戦~』、フジテレビ系『親愛なる僕へ殺意をこめて』、日本テレビ系『大病院占拠』、映画『おとななじみ』、読売テレビ『帰ってきたらいっぱいして。』(W主演)など。2024年7月期の日本テレビ系ドラマ『どうか私より不幸でいて下さい』ではW主演を務め、現在放送中の朝ドラ『おむすび』にギャル役「ムータン」として出演中。2025年春には主演映画『49日の真実』が公開予定となる。
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