4月15日(水)に8thシングル『愛を知る』を発売するラストアイドル。表題曲を歌うのは、立候補制のオーディションバトルを勝ち抜いた上位18名。
そもそも番組のスタートがオーディションバトルだった彼女たちにとって原点回帰のシングルとも言える。

オーディションは、ダンス・歌唱・一言パフォーマンスの3部門で行われ、審査委員長の吉田豪や大森靖子をはじめとする有識者、メディア関係者及びラストアイドルスタッフ総勢19名の審査員が3つの部門を総合して10点満点で採点。全41人の立候補者が 血で血を争うバトルを展開した。

その結果、選ばれた18人の中から、今回は阿部菜々実(1位)、長月翠(2位)、間島和奏(3位)、安田愛里(4位)、大森莉緒(5位)に登場してもらった。久しぶりのシングルオーディションバトルを戦ったそれぞれの思惑、そして結果が出たときの率直な思いを聞いた。(3回連載の1回目)

【写真】メンバーのソロカット

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──今回は8thシングル『愛を知る』選抜メンバーの上位5人にご登場いただきました。ラストアイドルにとっては久しぶりのバトルでしたが、どうでした?

間島 どうかと聞かれたら、嫌でした……。確かにラストアイドルは初期から内輪でバチバチ戦ってきましたけど、去年くらいから「みんなで力を合わせ、1つのものを作ろうぜ!」という方向に変わってきたんですね。集団行動のダンスを全員で揃えたりもしましたし。それなのに再びバトルをやることになって……。今回のオーディションバトルってメンバーの序列がつけられるわけじゃないですか。

──とはいえ、この5人が選ばれた結果に関しては、わりと順当だとファンからも目されていたのでは?

安田 いやいや、とんでもない! そんなこと、少なくてもメンバーは誰も考えていませんでした!

──では、ここで目をつぶって下を向いてください。
「正直、自分は18人の中に入ると思っていた」。そう考えていた方だけ挙手をお願いします。

(※阿部と長月が、そっと手を挙げる)

──非常に興味深い結果が出ました。少なくても安田さんが言うように「誰も考えていない」わけではなかったようです(笑)。

間島 私が見ている限り、世の中で売れているアイドルさんって、みんなメンバー仲がいいんですよ。それなのにラストアイドルの場合、わざわざ内部でバチバチさせるわけじゃないですか。もちろんラストアイドルだって普段は仲がいいんですよ。

大森 心境的には複雑でしたね。私の場合、「バトルをやりたい」という気持ちも結構あったんです。自分の実力がどれほどのものなのか、そこは知りたいとも思いましたし。これは自分にとって大きなチャンスなんだと位置づけていました。

──今回の順位は一般からの投票ではなく、有識者などの審査員によって決められました。
人気投票ではなく、純然たる実力査定ということでよろしいんですか? つまり1位の阿部さんから順に歌とダンスが上手いということになる?

長月 必ずしもそういうわけではないんです。審査委員長の吉田豪さんも、最初は歌とダンスだけで評価するつもりだったらしいんですよ。だけどバトルが進んでいくと、それだけではない要素もいろいろ出てきて。例えば「歌もダンスも決して上手ではないけど、どうしても存在が気になる」……そういう子も中にはいるわけですね。だからこの順位は「実力プラスアルファ」だと私たちは捉えています。実際は歌やダンス以外のオーラ的な部分が大きく左右したんじゃないかな。

──そういったオーラ的な部分が抜群だったから、長月さんは2位に輝いたわけですか。

長月 そういう意味ではないですが(苦笑)。

安田 私もこのオーディションバトルは抵抗がありました。そもそも出るかどうか最後まで悩んでいたんですよ。根本的な話として、2年間アイドルをやっている中で「私って芸能人に向いていないんじゃないかな?」と疑問を持つようになったんです。これは「自分に自信がない」という話ではなくて、自分のことを客観視しているからこそ出る考えなのですが。


──異常に謙虚ですね。

安田 ありがたいことに、前回のシングル『青春トレイン』は世の中から注目していただけました。となると、ラストアイドルにとって今回のシングルはすごく重要になってくる。次のステップに進むための大きな節目になるでしょうしね。その重要なシングルを選抜制の18人で披露するというのに、私が表に出ていいのかという疑問がぬぐえなかったんです。

間島 考え方がすごく真面目!

安田 だって、これはお仕事だから……。やっぱり軽い気持ちじゃできないですよ。でも最終的には「ここで自分が立候補しないと、今まで応援してくれていたファンの方に顔向けできない」と思い直しました。

──全立候補者41名の中で頂点に輝いた阿部さんは?

阿部 いや、確かに結果はそうなったかもしれないですけど、「私がセンターに立ちたい!」と立候補したわけではなかったんです。一番大事なのはラストアイドルが売れることであって、そのために自分ができることはやる。それが端っこであっても後ろであっても、グループのために少しでも貢献したかったんです。選抜に選ばれたとき、最初に感じたのは「よかった……」という安堵感でした。
だけど少し時間が経ってから、ことの重要性に改めてハッと気づいたんです。私がここにいるということは、選抜に入りたかったけど入れなかった子もたくさんいるわけで。実際、ダメだったメンバーはみんな泣いていました。その人たちの気持ちを踏みにじるような真似は絶対にできないですよ。

長月 「あなたは〇位です」と具体的な数字を出されることで、いつもとは違う緊張感が走ったのは事実です。ただ私、最初から2位を狙っていたんですよ。1番にはなりたくない……いや、「なりたくない」というのは正しくないかな。1番のプレッシャーに自分は耐えられないと思ったんです。自分らしさを失わず自由奔放に活動できるのがよかったから、結果的には大満足です(笑)。

(取材・文/小野田衛)

▼ラストアイドル8th Single『愛を知る』
発売日:4月15日(水)
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