今回、選抜に選ばれた阿部菜々実(1位)、長月翠(2位)、間島和奏(3位)、安田愛里(4位)、大森莉緒(5位)上位5名に、選抜への決意と覚悟を語ってもらった。(3回連載の2回目)
【写真】メンバーのソロカット
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──ラストアイドルファミリーの中から1~5位に選ばれたみなさんには、ここで覚悟のマニフェストを挙げていただけたらと思います。まずは5位の大森さんからどうぞ!

5位:大森莉緒(Love Cocchi) 【下克上】
大森 ここで「下克上」と書いたのは、「5位では不満」という意味ではもちろんありません。今までラストアイドルの中で活動してきてこんなに前に出たことはなかったし、初めての感覚に戸惑っているというのが正直なところです。審査員の方に評価していただいた嬉しさ、私なんかでいいのかという不安……いろんな感情が今は自分の中で渦巻いているんですよ。その中でも一番大きいのは「もっと上に行きたい!」という気持ち。自分が今までみたいに目立たない場所にいたら、そんなこと考えもしなかったと思う。5位になったことで初めて、“アイドルとしての欲”みたいなものが生まれたんです。5位は大変ありがたいことですけど、まだまだこれは通過点。もっと上を目指さなくちゃいけないと今は自分自身に言い聞かせています。
長月 ……いきなり素晴らしい主張が飛び出しましたね。
安田 ダメだ、私。これの次に発表する気にはなれない(笑)。
──そう言ってないで、安田さんもお願いします。

4位:安田愛里(LaLuce) 【アイリ100%】
安田 はぁ、恥ずかしいな。穴があったら入りたいです。立派じゃなくて申し訳ない……。
──大丈夫です! ファンは「アイリ100%」の真意を知りたいはずですよ。
安田 意味は、そのまんまです。とにかく全力を出し切るということ。それは4位に選ばれたとき、あるいは立候補しようと決めたときから決めていたことなんですよ。でも、それって実は一番大事なことだと思うんですよね。アスリートの世界では、練習ではすごいのに大会になると結果が出せない選手がいるという話を伺いました。
間島 それで「アイリ100%」か……。みんな、しっかりしたことを言うなぁ。今度は私が自信なくなってきた(笑)。

3位:間島和奏(Someday Somewhere) 【輝く】
間島 これまでラストアイドルは2年ちょっと活動してきました。ただ、いまいち波に乗り切れていない感覚もあるんですよ。
──地上波のテレビ番組があるから知名度はあるし、CDセールスも好調ですけどね。
間島 それはすごくありがたいことです。ファンの方にはいつも感謝の気持ちでいっぱいです。だけど「爆発的に売れているか?」と聞かれたら、そんなことはないですからね。確かにラストアイドルという名前自体は、この2年で知られるようになってきたと思うんですよ。
阿部 結構そこはメンバー共通の悩みどころかもしれない。
間島 何がダメなんだろう? ラストアイドルがもう一歩進むためには何が足りないんだろう? そのことを私なりに真剣に考えてみたんです。それで思い返してみると、『大人サバイバー』のときはメンバーに一体感があったんですよね。「これはいけるぞ!」「すごいものができたんじゃないの?」という気持ちになっていましたし。
──手応えがあった?
間島 ありました。達成感がすごかったです。団体行動を成功させたこともそうだけど、Mステ(『MUSIC STATION』テレ朝系)が決まったときもそう。「今やるしかない!」というのは全52人共通の思いだったはずです。自分たちで言うのも照れ臭いですけど、あのときのラストアイドルはキラキラしていたと思う。だけどそこからはメンバーの卒業もあったし、勢いに乗り切ることができなかったのも確かなんですよ。今の私たちに足りないものがあるとしたら、それは当時のキラキラ感じゃないかな。

2位:長月翠(LaLuce&シュークリームロケッツ兼任) 【突】
長月 これは突破の「突」です。私、壁を突破していきたいんですよ。実は和奏ちゃんが言ったこと、私もまったく同じように考えていたんですね。ラストアイドル、いまいち壁を打ち破れていないなって。例えばCDセールスでいうと、「10万枚の壁」があるんです。話題にはなっても、なかなか10万には到達しない。
──長月さんは、そういった数字も意識する方なんですか?
長月 めっちゃしますね。シングルの売上枚数はもちろん、どういう層に聴かれているのかも気になります。マーケティング的なことに興味があるんですよ。
──でもCD不況の中、7万枚のセールスがあるって大変なことですよ。
長月 当然そのことも理解しています。それは本当にファンの方がいてこそだし、感謝の気持ちはものすごくあるんですけどね。私が思うに、『大人サバイバー』や『青春トレイン』が与えたインパクトはかなり大きかったはずなんです。でもそれは「なんだか大人数でダンス揃えていてすごいね」という感想であって、「〇〇ちゃんを応援しよう!」という感情にならなかったんじゃないのかなって。大人数での集団パフォーマンスだから、メンバー1人ひとりにファンがつくということに繋がらなかったというか。
──めちゃくちゃ冷静に現状分析しているじゃないですか!
長月 エヘヘ(笑)。まぁ今回は前2作とは違い、選抜制ですからね。
──なるほど。最後は41人中1位に輝いた阿部さんになります。

1位:阿部菜々実(LaLuce) 【楽】
阿部 「楽しい気持ち」とか「身体を楽にする」という意味での「楽」。これを個人的な今後のテーマにしようと思っています。私、もっと楽に生きたいんですよ。
安田 今までは楽にしていなかったということ?
阿部 うん、それかもしれない。アイドル活動をやる上で「楽しむ」って一番大事なことだと思うんです。思えば昔はグループをもっと大きくするために頑張ること自体が楽しかったし、ライブをしていても毎回新鮮で楽しかったんですよ。いつからこうなっちゃったんだろうなって……。
長月 まだ17歳なのに、過ぎ去った青春を懐かしむようなテンション(笑)。
阿部 たぶん私、考える時間があるとダメなんでしょうね。暇な時間ができると、すぐ暗いことばかり頭に浮かんじゃうんです。それで自信を失っていく。この前、ボイトレに行ったら先生に言われたんですよ。「自分に厳しすぎるから、自信が持てない。自信が持てないと、声もダメになっていくんだよ」って。それから「自分に厳しいのは、自分に期待し過ぎているから」とも言われました。先生のその言葉が、ものすごく印象に残ったんですよね。それで自分なりに出した結論が、もっと肩の力を抜いて生きた方がいいということだったんです。
間島 たぶん先生も菜々実ちゃんの真面目すぎる性格を見抜いていたんだろうね。
阿部 (『青春トレイン』の振付を担当した)akane先生からも同じようなことを言われたんですよ。「なんだかロボットみたいだね」って(笑)。「嫌なことは嫌だと言っていい。楽しむときは楽しんでいい。ときにはメンバーに甘えてもいい」こうしたakane先生の優しい言葉が私はすごく嬉しくて。原点回帰というか、今、最初にアイドル活動を始めて楽しんでいたときの気持ちを思い出そうとしています。
(取材・文/小野田衛)
▼ラストアイドル8th Single『愛を知る』
発売日:4月15日(水)