バラエティ番組ではドッキリを仕掛けられ、ネットでは大炎上。お騒がせ芸人クロちゃんが大好きなアイドル文化についてお題に沿って持論を語る当連載。
10月に欅坂46が、櫻坂46に改名したことが発表されましたが、当取材はまだ発表前。今回は、クロちゃんが勝手に欅坂46の新名を予想しています。その大胆予想とは…。また、アイドルと改名についても考察します。(月刊エンタメ10月号掲載分をダイジェストでお届けします)

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欅坂46が改名することを電撃的に発表して、世間をあっと言わせました。当然です。「なんで人気があるのに名前を変える必要があるの?」って普通は思うじゃないですか。看板を捨てるって大変なことですよ。吉野家とか富士そばが明日からまったく違う名前になったら、やっぱり違和感がありますから。芸人ではさまぁ~ずさんとかくりぃむしちゅーさんが別の名前だったけど……欅坂46の改名は、それよりもさらにインパクトが大きいと思います。

問題は新しい名前がどんなものになるのかということです。欅坂46というグループ名に思い入れのあるファンは当然たくさんいるし、ネット検索だってすごく面倒なことになる。


そういうリスクをあえて冒してまでも看板を捨てるわけだから、「変えてよかったな」と思われるような名前に絶対しなくちゃいけない。そういう意味では日向坂46の改名は大正解だったと思うんです。

明るくて可愛いイメージが、よりストレートに伝わるようになったし。前のけやき坂46ひらがなけやき)だと、どうしても「欅坂46のアンダー」という印象が拭えなかったですからね。

欅坂46の新しい名前ですけど、「港区界隈の実在する坂」という発想を一度捨てた方がいいと思うんですよ。予想できるような範囲での改名だったら、最初からする必要なんてない。重要なのは今回が“攻めの改名”だということ。現状を打破しようという精神がベースにはあるんです。

僕の予想ですか? う~ん、難しいな……。それでもあえてこの場を借りて大胆予想すると、海外の地名で来るんじゃないかという予感がする。たとえば「ボールドウィン・ストリート46」とか。これはニュージーランドに実際にある地名で、「世界でもっとも急な坂」としてギネス認定されているらしいんですけど。
トップアイドルでいる以上、改名後もメンバーはアップダウンを交互に味わうことになるでしょう。そのジェットコースタードラマぶりが、この地名に要約されているんです。

もっとも「坂」を捨てるパターンで来る可能性も否定できない。その場合は予想がさらに難しくなるなぁ。秋元先生は意外にシンプルな名前も好きなんですよね。おニャン子クラブ、うしろゆびさされ組、ねずみっ子クラブ、渡り廊下走り隊、ノースリーブス、DiVA、フレンチ・キス、てんとうむChu!、青春高校3年C組……こうして振り返ってみると、やっぱりよくできていますよ。

きちんとグループの特徴が出ているし、印象にも残る。僕としては「豆柴の大群」も負けていないつもりだけど、やっぱりさすがだなって唸っちゃいますね。

 
アイドルグループの改名っていろんなケースがありますよね。もっとも成功したのは「ももいろクローバー」→「ももいろクローバーZ」じゃないかと思う。人数が減ったタイミングで「Z」をつけ、戦隊色を強めることで大ブレイクした。「THEポッシボー」→「チャオ ベッラ チンクエッティ」も攻めた改名で驚きました。
キャッチーな響きをあえて捨て、「何それ?」という引っかかりを出そうとしたのでしょうね。
 
大事なのは落ちぶれて袋小路に入ってからではなく、勢いがあるタイミングで改名に踏み切ること。あとは意味性も大事だと思います。僕は「チームしゃちほこ」→「TEAM SHACHI」の改名はいいと思った。ちょうど彼女たちはホーン隊を入れるなどステージの内容もガラリと変えていて、イメージを一新している最中でしたから。

一方、「スマイレージ」→「アンジュルム」はファンから名前を募集したものの、使わないという高輪ゲートウェイ駅パターンだったんですよね。だから最初は評判もよくなかったんですけど、結果的には大成功だったんじゃないかな。というのも1発目のシングル『大器晩成』でグループのカラーがガラリと変わったじゃないですか。4人時代のキャピキャピしたイメージを捨てて、まるで別のクールなグループに生まれ変わった。改名に伴ってメンバーやファンの意識も変わった稀有な例ですね。
 
そう考えていくと、欅坂46は今がまさに勝負所でしょうね。今回の改名がプラスに働くことを心から願っています。
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