株式会社モリサワが展開するクラウド型のフォントサービス「Morisawa Fonts」は、現役大学生、22歳のマルチアーティストのVaundyとコラボレーション。このたび、28日にVaundy公式YouTubeチャンネルにて新曲「置き手紙」のミュージックビデオ(以下、MV)を公開した。
本楽曲は、Vaundyが本コラボのために特別に書き下ろした楽曲。「魔法の言葉」をキーワードに、思いを伝えたい男女の様子が描かれている。

あらゆるフォントが一覧できる「見本帳」を起点に物語が展開され、77種類ものフォントを使用した歌詞がMVを彩る。映像制作は、NHK朝ドラのオープニングや「らくがきAR」を手掛けるWhateverが担当。独創的な作風で知られる映像ディレクターの牧野惇を監督に迎え、”クラフトモーション”を使った演出で、フォントの魅力と疾走感あるメロディーを際立たせている。

また、本MVの公開を記念して、Vaundyに特別インタビューを実施。楽曲のこだわりや楽曲名に込めた思い、ご自身にとっての「魔法の言葉」などについて聞いた。
――オファーをもらった時の感想を教えてください。
Vaundy:(モリサワと)関われると思ってなかったんですよ、正直。いつもモリサワフォントを“使う側”だったので、今回は“使ってもらった側”に近いと思っていて。使っていたもの、使っていた会社とか企業と一緒に仕事ができるというのは、やっぱりワクワクしますよね。僕の友達も、知り合いでもデザイナーでも、モリサワと言ったら、「あ~あのモリサワ!?」みたいな反応になるので、そういう意味でも「俺、モリサワと仕事したんだ…!」という気持ちです。
――楽曲のこだわりポイントについて教えてください。
Vaundy:もともと「置き手紙」という曲を作っていて。ワンコーラスしかなかったので、今回のお話をもらって最終的に完成させたという感じです。なので最初のイメージとは全然違うものになってるんですよ。もちろんこのお話をいただいてから仕上げたので、「ん~このエンドだと普通過ぎてつまんないな」と思って、最初に考えていたエンドからは全く別のものに変えて、不老不死の二人の話になりました。もともとは、もっと平凡な二人の話で、二人がお互いに言葉にできない様子を思い描いていたのですが、それよりもうちょっと言葉で遊んでみたいなと。やっぱり絵本とか本とか、アンリアルを描くものに文字は必要だと思っていて、説明的になるというか。なので、(この楽曲は)メルヘンである必要があるなと。(不老不死の設定になったのは)「不死の病」とかパンチラインになる言葉も必要だと思ったのもあります。意外とそういうものがモノづくりには大事だったりするので、ちょっと「ん?」ってなるけど読んでみたら「あぁ~なるほど」ってなるような、第一印象が“良い悪い”じゃなくて、第一印象が“強い”文字が必要だな、というところを意識して、歌詞の中にちょいちょい入れたりしました。
――楽曲名の「置き手紙」に込めた思いについて教えてください。
Vaundy:実は歌詞で、「綴り切れないよ」って言ってるんですよ。
「置き手紙」というタイトルは、そこまで意味があるわけではなくて、ツールでしかない。第一印象で「置き手紙の話なんだな」と思わせるためのタイトルという感じです。でも、ちゃんと歌詞を読んでみたら、「あれ、もしかしてこれ置き手紙結局いらなかったってオチじゃない?」みたいな。そう思わせるために多分、当初の僕はそれを書いたんだと思います(笑)。
――歌詞に「魔法の言葉」というフレーズが度々登場しますが、Vaundyさんにとっての「魔法の言葉」は何ですか?
Vaundy:大事にしていることは「バランス」ですかね。よく言う言葉ではあるけど、すべての事柄バランスで出来ていると思っています。自然はバランスを、調和を取ろうとするみたいな。なんかそういうものが僕の中にもあります。ただ、魔法の言葉というものはないかもしれない。
――MVをご覧になる皆さんにメッセージをお願い致します。
Vaundy:監督の血と汗と涙の結晶をぜひご堪能ください。MVを見て、「あぁ~すごいかわいい~!」ということだけでなくちゃんと一秒ごとに注意深く見てみればみるほど発見がある、本当に見応えのある作品です。