モリサワは8月20日、本田技研工業のコーポレートフォント「Honda Global Font」ファミリーを開発したと発表した。

「Honda Global Font」ファミリーは、欧文フォント「Honda Global Font EN」と和文フォント「Honda Global Font JP」、そして長体幅にしたUIフォントで構成される。


欧文フォントの「Honda Global Font EN」は、モリサワの「Clarimo UD PE」をベースにカスタマイズしたサンセリフ体で、走行中での文字の瞬間的な認知のしやすさに配慮して設計された。大きめの字面やオープンな開口部の処理により、モビリティに求められる瞬間認知等の機能性を確保している。

和文フォント「Honda Global Font JP」は、モリサワの「あおとゴシック」をベースとし、字游工房の書体設計士である鳥海修氏が監修に携わって開発されたゴシック体。かなの横画に右上がりの傾斜を持たせることで和文ならではの自然なリズムを表現し、ストロークの抑揚と骨格には筆のニュアンスを取り入れて、一文字ずつに豊かな表情と引き締まった印象を持たせている。

「Honda Global Font」ファミリーの開発は、Hondaのグローバルブランドスローガン「The Power of Dreams」を起点にしたブランディング戦略の一環。Hondaのブランド・コミュニケーションセンターのチームとモリサワのプロジェクトメンバーが両社の垣根を越えてアイデアを交わし合って開発を進めた。

完成したフォントファミリーは現在、社内文書や名刺、封筒といったビジネスツールなどHonda社内におけるコミュニケーション領域で活用されている。今後は対外発信での標準フォントとして使用されるほか、製品のディスプレイやメーター、カタログなどにも順次搭載・使用され、運用が段階的に拡大される予定だ。
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