浅草のInsta360直営店の正式オープンに合わせ、創業者でありCEOのJK Liu氏が来店。直営店開店の狙いや、最近のInsta360新製品の手応えなどについてインタビューしました。


SNSなどで参入が噂されているミラーレスカメラについては、「現在開発を進めている」と明言。しかも、キャラクターがまったく異なる2機種を開発しているといいます。そのうち1つは「みなさんが今まで考えたこともないような形をしている」としており、これまでの「フレーミング、ピント合わせ、シャッターボタンを押して撮影」というカメラの撮影のあり方を変える1台になる可能性も。「2027年のCP+で試作機をお見せできるかもしれない」と語り、カメラ業界は来年がぜん面白くなりそうです。

日本人だけでなく外国人の来訪者も多い浅草を選択

8月8日、浅草に国内初のInsta360直営店がオープンしました。JK Liuさんは「重要市場である日本の消費者とより深くつながるための拠点」とし、Insta360にとって大事な存在であることをまず説明しました。

場所を浅草にしたのは、日本文化を代表する場所であり、日本人だけでなく外国人の来訪者も多いことを重視したからだそう。当初は銀座も候補に挙がっていたそうですが、賃料が見合わずに見送ったといいます。

Insta360にとっての重要市場として日本とアメリカを挙げ、その2カ国に直営店を優先して展開していく方針も示しました。この9月には、ニューヨークのタイムズスクエアに出店する予定だといいます。

Insta360 X6、「空間キャプチャー」などの新機能に自信

Insta360初のジンバルカメラ「Insta360 Luna Ultra」については、「全世界で好調に売れている。特に日本と中国の反応がとてもよい」と語りました。
特に、頭の動きに応じてカメラの向きを変える別売アクセサリー「POVヘッドトラッカー」の反響が大きいといいます。「当初は月間数千台の販売を見込んで準備していたが、いざ売り出すと月1万台以上の注文が殺到した。品薄が続いており、お詫びしたい」(JK Liuさん)

8月12日に正式発表する360度カメラの新製品「Insta360 X6」は、周囲をまるごと撮影してスマホが編集してくれることを、最新のAIでさらに進化させたモデルだと解説します。「みなさんにカメラの存在を忘れて人生を楽しんでほしい。それが私たちのビジョンです」(JK Liuさん)

Insta360 X6では、新たに「AIディレクター」という機能を追加したのが目玉としました。撮影を済ませたInsta360 X6をUSB電源に接続して充電すれば、その後スマホとカメラが連携してバックグラウンドでAIによる編集を行い、さらに印象的な映像を仕上げるといいます。

JK Liuさんによると、AIディレクターは当初はInsta360 X6のみの対応となるものの、年内をめどにInsta360 X5やInsta360 Luna Ultraなど、ファームウェアアップデートによってすべてのカメラに対応させる予定だとしました。

Insta360 X6は「空間キャプチャー」機能を新たに搭載することがSNSで話題になっています。通常の動画モードで撮影してアプリで処理を実行するだけで、周囲の様子を3Dガウシアンスプラッティングで3Dモデルとして生成する3Dスキャン機能です。

JK Liuさんによると、スマホからクラウドにアップロードして処理し、しばらくするとクラウドから3Dデータが返ってくる仕組みだそう。当初は有料サービスにしようと思っていたそうですが、処理に必要なデータ量がそれほど多くないことが分かったため、無料で利用できるようにするそうです。ただ、クラウドを利用するため、サブスクサービス「Insta360+」の契約は必須になるとしました。


「二度と戻れない青春の思い出などを残しやすくするための一環として、この機能を作りました。当初は人物を撮影することはできませんが、今後のファームウェアアップデートで人間も記録できるようにする予定です」(JK Liuさん)

ミラーレスカメラは2機種を開発中、うち1機種はこれまでにないスタイルに

XなどのSNSでは、しばらく前から「Insta360がミラーレスカメラを開発している」という噂が出ています。写真ファンにとって大いに気になるInsta360のミラーレスカメラについて、JK Liuさんに直撃しました。

「現時点でお話できることは限られているのですが、私たちは2種類のミラーレスカメラの開発を進めています」と語り、ミラーレスカメラの開発を認めました。さらに「そのうちの1つは、みなさんが今まで考えたこともない驚くような形をしています」とも語り、オーソドックスなレンズ交換式カメラのスタイルではない新機軸のカメラを用意していることも明らかにしました。

レンズ交換式カメラを開発しようと思ったのは「新しい技術やAIを導入することで、レンズ交換式カメラの使い方が分からない人でも気軽に使えるようにしたい」という思いからだそうです。

新機軸のカメラは、360度カメラやジンバルカメラなど、Insta360がこれまで発売したカメラの技術をふんだんに盛り込んでくることは間違いありません。特に、日本のカメラメーカーとは異なり、積極的にAIを用いて撮影の自動化を図ったり、失敗を減らす機能を盛り込んでくるでしょう。コスパの高さを売りにする中国メーカーだけに、意欲的な価格で投入することも期待できます。

「来年のCP+では、みなさんに試作機をお見せできると思います」と語るJK Liuさん。フレーミング、ピント合わせ、シャッターボタンを押して撮影、というカメラの撮影のあり方をガラリと変える可能性もあります。どのような常識外れのカメラが登場するのか、今から楽しみになってきました。


磯修 いそおさむ 1996年、アマチュア無線雑誌で編集者としてのキャリアをスタートし、その後パソコン雑誌やWeb媒体の編集者としてデジタル分野の記事を担当。2018年からマイナビニュース・デジタル編集部に加入。専門分野はカメラ、アップル製品とエコシステム、スマートフォン、デジタル家電関連、PCキーボード。画像生成AIなどAIまわりの進化の速さに追いつくべく奮闘しつつ、自身でよい写真を撮影することも心がけている。ニガテな動画撮影は鋭意勉強中。猫が1匹います。 この著者の記事一覧はこちら
編集部おすすめ