「辞退させていただきます」とは、断る意思を伝えるフレーズです。伝わりやすい表現ではありますが、ビジネスフレーズとして適切なのでしょうか? また、印象の良い断り方は他にあるのでしょうか?

本記事では「辞退させていただきます」の意味と正しい使い方を紹介。

言い換え表現も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

■「辞退させていただきます」の意味

「やんわり断りたい時」に使える敬語表現の画像はこちら >>

「辞退させていただきます」とは、断る意思を丁寧に伝える表現です。

「辞退」は辞書で以下のように説明されています。

じ‐たい【辞退】

[名](スル)勧められたことを遠慮して断ること。また、自分の既得の地位・権利などを遠慮して放棄すること。「出場を辞退する」

(『デジタル大辞泉』小学館)

「させていただく」は「させてもらう」の謙譲語であり、相手の許可が必要な時、または相手から大きな恩恵を受けた時に使う表現です。

つまり「辞退させていただきます」とは、「勧められたことを遠慮します」という意味の言葉です。

■「辞退させていただきます」の使い方と例文

「やんわり断りたい時」に使える敬語表現

「辞退させていただきます」は、相手の勧めに対して、敬意を払いながら断る時に使えるフレーズです。

例えば、何かに抜擢されてそれを断る時、または、賞や権利を得てそれを断る時などに使うことができるでしょう。

謙譲語でへりくだっている表現ではあるものの、人からの勧めを断る場合、失礼にあたることもあります。一緒に謝罪の言葉を伝えるなど工夫すると、コミュニケーションが円滑になるでしょう。

ややかしこまった表現であるため、同僚との会話や気軽な誘いに対して使うのは不適切だといえます。

☆例文

*・大変申し訳ございません。一身上の都合により辞退させていただきます。

・非常にありがたいお話ですが、今回は辞退させていただきます。お力になれず大変申し訳ございません。*

■「辞退させていただきます」の言い換え表現

「やんわり断りたい時」に使える敬語表現

「辞退させていただきます」の他にも、丁寧に断る意識を伝える表現があります。シーンに合わせて使い分けてみましょう。

◇(1)「辞退申し上げます」

「辞退申し上げます」は、「申し上げる」という謙譲語を使った表現。「辞退させていただきます」と同様、遠慮がちに断るニュアンスを伝えることができます。

「~させていただきます」は、前述の通り使用シーンが限定される言い回しです。そのため「辞退申し上げます」の方が汎用性は高いでしょう。

◇(2)「お気持ちだけ頂戴します」

断る意思をより間接的に伝えたい場合は、「お気持ちだけ頂戴します」が使えるでしょう。

「気持ちだけ受け取ります」=「勧めてもらった内容(事柄)は受け取れない」という意味。

なるべく角を立てなくない時に使ってみましょう。

◇(3)「遠慮いたします」

「遠慮いたします」も、遠回しにやんわりと断りたい時使えるフレーズです。

「遠慮」には「辞退すること」という意味があるため、「辞退いたします」とほぼ同じ意味だといえるでしょう。

ただし、言葉の持つニュアンスとして「遠慮いたします」の方がより柔らかな印象を与えるかもしれません。

■「辞退させていただきます」は丁寧に断るフレーズ

「辞退させていただきます」は、上司からの勧めなどを丁寧に断りたい時使えるフレーズです。

言い換え表現も上手に活用しながら、円滑なコミュニケーションをしていきましょう。

(にほんご倶楽部)

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