今シーズン大胆な若返り改革を敢行したガンバ大阪。今夏の移籍市場では数多くの選手が往来しメディアを賑わせた。

上記データはリーグ戦第22節時点のガンバ大阪の時間帯別失点を表したものである。データから読み取れる通り、終盤の「ラスト15分+アディショナルタイム」で多くの失点を喫していることが分かる。
G大阪の守備はウィングバックが戻り5-3-2を形成し、中央にスペースに与えないコンパクトな陣形だが、試合終盤では陣形維持が難しい状況になっている。
前々節のヴィッセル神戸戦、前節のサンフレッチェ広島戦どちらも先制点を挙げ優位に試合を進めていたものの、最終的には追いつかれてドロー決着となってしまった。
神戸戦では髙尾瑠のパスミスがアンドレス・イニエスタに決められることになるPKのきっかけを産み、鈴木雄斗と髙尾の連携がずれたことにより増山朝陽による同点弾を浴びた。
広島戦もクロスへのチェックに行けずに森島司にフリーでクロスを上げられた結果、レアンドロ・ペレイラに土壇場で試合を振り出しに戻された。
いずれもラスト15分での失点だ。勝利に値するはずだった試合も自らのミスで勝ち点を取りこぼすことになり、下位で足踏みする要因となっている。

ガンバ大阪は試合を落ち着かせたい時には遠藤保仁を後半途中に投入させる。遠藤を中盤に配置してボールを持ちながらゲームをコントロールする、まさに遠藤率いるG大阪でしかできない戦術と言っていいだろう。
しかし、リズムを整えるにもそもそも足が止まっている選手が多いというのが筆者の考察だ。特にこの時期は日本特有の蒸し暑い気候も相まって体力消耗に拍車がかかる状況だ。
自分たちのポゼッションで試合をコントロールするのが難しいのであれば、完全にリトリートしたディフェンスラインで相手にボールを持たせながらもボールを侵入させない手法も講じるべきではないかと考える。体力消耗の激しいチームだからこそ生きてくる術ではないだろうか。
終盤における失点を除けば、チームが意図している内容は魅力的に感じられる。課題克服を早急に行い後半戦の巻き返しに期待したい。