日本サッカー協会(JFA)は3日、U-21日本代表候補としてトレーニングキャンプに参加するメンバーを発表した。2024年に開催されるパリオリンピックを目指すU-21日本代表。
ここでは、そんなU-21日本代表候補のメンバーからJリーグで出場機会を掴んでいる8名をピックアップ。いずれも将来の日本代表を担う可能性を十分に持つ選手たちだ。
半田陸(J2・モンテディオ山形)
モンテディオ山形ユースが生んだ最高傑作が、着実に成長を続けている。プロ2年目の2020年はセンターバックとしてプレーしていた半田陸は、昨年右サイドバックとして定位置を確保。推進力やスピードをいかして3得点6アシストを記録し、今季も開幕節のザスパクサツ群馬戦、第2節のロアッソ熊本戦とともに90分出場している。
ゴール前まで絡んでいく積極性はチームの武器となっており、守備面の成長を続ければ冨安健洋(アーセナル・イングランド)のようなプレーヤーになり得る選手だ。

木村誠二(J2・モンテディオ山形)
ここでピックアップした8選手の中で、Jリーグのサポーターからの知名度は最も低いかもしれない木村誠二。しかし各年代別日本代表に選出され、Jリーグでも地道にキャリアを積んできた実績十分なプレーヤーだ。
2018年にFC東京に入団。FC東京U-23で出場経験を積み、昨年は京都サンガへ期限付き移籍。京都では1試合にしか出場できなかったが、後半戦にSC相模原へ期限付き移籍しレギュラーに定着した。今季はモンテディオ山形に期限付き移籍し、開幕節から2試合続けてフル出場。
西尾隆矢(J1・セレッソ大阪)
プロ2年目となる昨年レギュラーの座を掴んだ西尾隆矢は、今年も強固な地位を築いている。横浜F・マリノス戦、京都サンガ戦ともにスタメン出場し、横浜F・マリノス戦ではチーム最高のパス成功率を記録。今季副キャプテンに任命されたのも、クラブからの期待の現れだろう。
ただタックルの精度やクリアミスなど荒削りな部分もあり、現役時代にセンターバックでプレーした大岩剛監督からの指導で刺激を受け、細かな部分のプレー精度を上げたい。
藤田譲瑠チマ(横浜F・マリノス)
横浜F・マリノスに移籍し1年目となる今年、試合を経るごとに順調に出場時間を伸ばしている藤田譲瑠チマ。開幕節のセレッソ大阪戦は終盤の3分のみの出場だったが、第2節の柏レイソル戦は46分、第3節のヴィッセル神戸戦はスタメン出場し62分までプレーした。
豊富な運動量とボール奪取能力には以前から定評があったが、パスの精度が安定しており優勝候補でも主力の座を掴み取る気配十分。将来の海外移籍を視野に入れており、そのためのステップアップを重ねている。

山本理仁(J2・東京ヴェルディ)
昨年は出場機会を減らした時期もあったが、今季はここまで順調なシーズンを過ごしている山本理仁。開幕節のV・ファーレン長崎戦、第2節の栃木SC戦ともにスタメン出場し、好調なチームに大きく貢献している。
この世代屈指のゲームメーカーであり、栃木戦では90%を超えるパス成功率を記録。若手選手らしからぬ安定感を身に付けつつある。
田中聡(J1・湘南ベルマーレ)
二種登録だった2020年から17試合に出場し、プロ1年目の昨年は完全に主力として36試合に出場した田中聡。今季からはクラブの要望によって背番号を7に変更し、プロ2年目にして湘南ベルマーレを代表する選手となっている。開幕節の柏レイソル戦では途中出場だったが、第2節のサガン鳥栖戦でスタメンフル出場し、約12.4kmという素晴らしい総走行距離を記録した。
ボールを回収しキープする能力に優れており、アンカーかボランチとして、将来のフル代表に定着する可能性十分だ。

鈴木唯人(J1・清水エスパルス)
今回のU-21日本代表候補メンバーで最も観客をわかせることができる選手であろう鈴木唯人。スピード、ワンタッチの巧みさ、ゴール前での落ち着きとゴールを奪えるドリブラーとしてのスキルを兼ね備えている。今季は開幕から好調を維持しており、開幕節の北海道コンサドーレ札幌戦、第2節のジュビロ磐田戦と立て続けにゴールを記録。
すでに昨年の得点数に並んでおり、キャリアハイの数字を残すことはほぼ間違いない。すでに海外移籍の噂が出てきているほど、大きな注目を集めている。
細谷真大(J1・柏レイソル)
J1リーグで唯一開幕から2連勝を飾っている柏レイソルにおいて、細谷真大は影のキーマンとなっている選手だ。第2節の横浜F・マリノス戦ではチームトップの約11.6kmを走り、スプリント回数では両チームで断トツの38回を記録した。前線から守備が報われ、24分には相手のパスミスから同点ゴールを決めている。
攻撃面だけでなく、前線からパスコースを制限することによって全体が連動して動き、守備を安定させることに繋がっている。