日本代表を長く牽引してきたDF吉田麻也の去就に注目が集まっている。2023シーズンは、現在所属しているブンデスリーガのシャルケで29試合に出場。

ベテランながらドイツの地でも多くの出場機会を得たものの、残念ながらチームは17位と2部降格を味わう結果となった。

元々の契約が1年だったこともあり、今シーズン終了後、吉田の退団が決定。現時点で新天地は未定となっているが、古巣である名古屋グランパスや元日本代表が集まるヴィッセル神戸など、Jリーグ復帰の可能性があるのではと期待を膨らませているファンやサポーターも多いことだろう。

そんなレジェンド吉田以外にも、Jリーグ復帰を噂される選手たちがいる。ここでは、日本代表での活動からは遠ざかっているものの、海外で得た経験を携えJリーグへの帰還が望まれる選手たちを4名紹介していく。

Jリーグ復帰の可能性はどれくらい?噂される海外組の帰還確立予想

中島翔哉(アンタルヤスポル/トルコ)

Jリーグ復帰確率:20%

2017年にポルトガル1部のポルティモネンセで海外挑戦をスタートさせたMF中島翔哉。スピードの緩急と鋭い切り返しを軸にしたドリブルを得意とし、一時期はポルトガル屈指の名門FCポルトにも在籍したが、その頃から調子を落とし現在に至っている。

現在も日本代表を率いている森保一監督体制が発足した2018年当時は、背番号「10」を背負い中心選手として活躍していた。しかし、2019年11月に行われたベネズエラ戦(キリンチャレンジカップ2019)を最後に代表のピッチからも遠ざかっており、近頃はその名を目にする場面も少なくなった。2022/23シーズンから所属しているトルコのアンタルヤスポルでも復調の兆しは見えず、15試合で得点、アシストともに0。かつての輝きはすっかり鈍くなってしまったように見える。

とはいえ、ボールを保持し前進させる能力の高さは誰もが知るところ。再び輝きを取り戻すためにも、原点であるJリーグに戻ることも選択肢の1つではないだろうか。

しかし、これまで中島についてはJリーグ復帰、まして具体的な獲得に動くクラブ名が報じられたことはほとんどない。アンタルヤスポルとの契約も残っていることから、可能性を20%とした。

Jリーグ復帰の可能性はどれくらい?噂される海外組の帰還確立予想

柴崎岳(レガネス/スペイン)

Jリーグ復帰確率:70%

プラチナ世代代表格選手の1人であるMF柴崎岳は、Jリーグ復帰の可能性が比較的高い選手と言えよう。2017年に鹿島アントラーズからスペイン2部のデネリフェへ移籍して以降、2023年のこれまで一貫してスペインで活動しており、合計4つのクラブでプレーしている。

守備面での課題を指摘されることもあるが、補って余りあるほどの類稀なパスセンスの持ち主で、長短のパスの使い分けによりチャンスを作り出す、昨今では珍しくなった司令塔タイプ。日本代表においても、流れを読んだパスを武器に長く重宝されてきた。現在所属しているレガネスとは2020年からの3年契約で、間もなく契約満了を迎える。

一部スペインの地元紙では、レガネスが柴崎との契約を延長しないとも報じられているようで、Jリーグ復帰も現実味を帯びてきている。

今年31歳となった柴崎だが、近年Jリーグに帰ってきている選手たちの活躍ぶりも踏まえれば、十分に活躍できる見込みはある。気になる移籍先については、古巣である鹿島アントラーズやMFアンドレス・イニエスタの7月退団に伴い後継者が欲しいヴィッセル神戸、また、柴崎にとって青森山田高等学校時代の恩師でもある黒田剛監督が率いる町田ゼルビアなど、複数のクラブが噂されている。

首位を走る神戸やシーズン序盤の不調からようやく復活してきた鹿島が獲得に動くのか、もし町田が動いた場合、J2への移籍はあり得るのか、いずれの噂にも疑問が付きまとっている。しかし、レネガスとの契約が切れる事実と、具体的なクラブ名が噂として挙がっていることから可能性を70%とした。

Jリーグ復帰の可能性はどれくらい?噂される海外組の帰還確立予想

森岡亮太(シャルルロワ/ベルギー)

Jリーグ復帰確率:40%

2015年に欧州へ渡った元ヴィッセル神戸の背番号「10」MF森岡亮太も、今夏動向が注目される選手の1人ではないだろうか。現在所属しているベルギー1部のシャルルロワでも、加入して以降全てのシーズンで得点を挙げチームに大きく貢献してきた。

しかし、今季はシーズン途中の10月に監督が解任されると序列に変化が。それまでスタメンでの出場機会も多かった森岡だったが、一変してベンチスタートが増え、シーズン終盤にはメンバー外になる試合も増えた。

今年4月には32歳となった森岡だが、今季も2試合連続ゴールを含め3得点を挙げているだけに、ピッチから退くにはまだ早い。とはいえ、監督交代に伴う冷遇ぶりを見ると、移籍先を模索するのも当然と言えよう。

キープ力とパスセンスに優れている点において、今夏、古巣である神戸が失う戦力MFアンドレス・イニエスタの穴を補う戦力として最適との見方もできる。現在のところ具体的な噂はないものの、このままシャルルロワに残ったとしても冷遇ぶりが解消される見込みがないことを考慮し、可能性を40%とした。

Jリーグ復帰の可能性はどれくらい?噂される海外組の帰還確立予想

岡崎慎司(シント=トロイデン/ベルギー)

Jリーグ復帰確率:40%

かつてはMF本田圭佑、MF香川真司と並んで「日本代表のビッグ3」と称されたFW岡崎慎司。清水エスパルスから2011年にブンデスリーガ(ドイツ)のシュツットガルトへ移籍して以来、4ヵ国7クラブでプレーし現在に至る。2015/16シーズンには、当時所属していたレスター・シティ(イングランド)がプレミアリーグで初優勝。創設132年のクラブが成し遂げた史上初の快挙は「奇跡」と言われ、岡崎はその優勝メンバーの1人でもある。

今2022/23シーズンは、近年多くの日本人選手を獲得しているベルギーのシント=トロイデンに加入。30試合に出場したが、得点はわずかに1つ。

「点取り屋」と呼ばれたかつての姿は鳴りを潜めている。一部現地の報道では、シント=トロイデンは岡崎との契約を延長しないとの見方もあるようで、日本が誇るレジェンドは移籍先を模索することになりそうだ。

現時点でJリーグが視野に入っているかは不明だが、仮に古巣への復帰を考えた時、清水はJ2にいるもののGK権田修一やMF乾貴士といった日本代表での経験豊富なベテラン選手がおり、環境面では申し分ない。しかし、編成に目を向けると、アタッカーは飽和状態ともいえるほど揃っており、清水復帰を果たしたとて満足に出場機会を得られるかは疑問だ。所属クラブとの契約延長の見込みが薄い一方、Jリーグで獲得に動くクラブの情報がないことから、可能性を40%とした。