夏の移籍関連のニュースがにぎやかになってきた。毎年この時期になると、海外組の移籍やJリーグから新たに海外移籍する選手の話題を数多く目にする。

もちろん、シーズン中ではあるが国内の移籍情報からも目が離せない。特に近年注目を集めるのが、J2クラブからJ1クラブへの移籍、いわゆる「個人昇格」だ。

2023シーズンのJ1では、町田ゼルビアから鹿島アントラーズに移籍したMF佐野海舟ロアッソ熊本からサガン鳥栖に移籍したMF河原創など、冬にJ2クラブから個人昇格した選手たちが躍動している。J2に所属する選手たちのポテンシャルの高さが再注目されるであろう状況だけに、序盤戦で活躍したJ2選手たちには、J1クラブから熱視線が浴びせられていることは間違いない。

ここでは、今夏にも個人昇格する可能性が高いJ2選手たちを5名紹介していく。

今夏にも個人昇格しそうなJ2選手5選【2023】

平川怜(ロアッソ熊本)

2023シーズン開幕前の冬期間に、主力選手の多くがJ1各クラブへ移籍していったロアッソ熊本。大幅な選手入れ替えを余儀なくされたにも関わらず、今季の前半戦はここまで8勝6分7敗と大崩れせずに乗り切った。そんなチームを支えている1人がMF平川怜だ。

昨2022シーズンは、MF河原創(サガン鳥栖)というゲームメーカーがいたこともあってか、出場機会はさほど多くなかった平川だが、今季は開幕から全試合にスタメンフル出場。数字を見ても、4ゴール5アシストと申し分なく、J1クラブが目をつけていても不思議はないと言えよう。

熊本としては、冬に続き夏にまで重要な戦力を流出させるわけにはいかないが、平川に関しては声を掛けられるのはもはや避けられないとも言えるのではないだろうか。

今夏にも個人昇格しそうなJ2選手5選【2023】

寺沼星文(水戸ホーリーホック

2023シーズンJ2第21節終了時点18位で、波に乗れない水戸ホーリーホック。しかし、ここまで38失点というリーグワーストタイの守備面での課題が露呈する一方、攻撃面では一定の得点数を確保できている。そんな水戸で現在チームトップスコアラーとなっているのがFW寺沼星文だ。

スタメン出場がわずか8試合にも関わらず、今季ここまで5ゴールをマーク。うち4ゴールが途中出場での得点と、限られた時間で結果を出せることは証明済み。188cmのサイズも十分に武器になり得ることから、未知数な部分も多いとはいえ獲得に動くJ1クラブがいても不思議はない。

今夏にも個人昇格しそうなJ2選手5選【2023】

柴山昌也(大宮アルディージャ

現時点J2最下位と2023シーズン開幕から苦しむ大宮アルディージャ。しかし、そんなチームにあっても際立つ活躍をしているのがMF柴山昌也だ。まだ20歳だが、今季はここまで21試合すべてに出場。昨季から引き続き、すでに大宮の中心選手として確固たる地位を築いている。

柴山の持ち味は何といっても鋭いドリブルを武器にした突破力。細かいボールタッチで相手を見ながらかわす技術は一級品であり、そこから放たれるシュートやラストパスのクオリティも高い。

大宮の下部組織出身であることを踏まえると、チームが苦しむ現状で声がかかったとして移籍の選択をするかは疑問だ。しかし、年齢や技術の高さを考えれば、個人昇格はもちろん飛び級で海外移籍が報じられても驚かない逸材と言えよう。

今夏にも個人昇格しそうなJ2選手5選【2023】

平河悠(町田ゼルビア)

高校サッカー界の名門、青森山田高等学校を率いていた黒田剛監督を迎え、2023シーズンは昨年とはほとんど別のチームとしてスタートした町田ゼルビア。J2第21節終了時点で14勝4分3敗。勝ち点46で2位と6ポイント差をつける首位で前半戦を終え、クラブ改革は大成功と言えよう。

そんな町田で注目の1人が、パリ五輪世代のMF平河悠だ。

昨年までは出場機会に恵まれなかった平河は、今季開幕戦でスタメンを果たすとここまで18試合に先発出場。4ゴール2アシストと好調町田を支える。スピードが大きな武器であり、強力な2トップを追い越す動きでDF陣をかき回し攻撃にアクセントをつけられる。6月、U-22日本代表の欧州遠征でも初選出され、今夏に限らず動向が注目される選手であることは間違いない。

久保藤次郎(藤枝MYFC

2023シーズンJ2リーグ初挑戦の藤枝MYFC。第21節終了時点で13位と健闘ぶりが光り、特に攻撃面においては、得点数でトップ5に入る堂々たる結果を残している。そんな攻撃面を支えている選手の1人がMF久保藤次郎だ。昨季J3で10ゴール6アシストと高いパフォーマンスを発揮した実力はJ2でも健在。特にアシストはここまで7つと、早くも昨年を上回る数字を挙げている。

特筆すべきは、久保がサイドから供給するクロスやラストパスの精度。素早く中の状況を見極め、的確に相手のウィークポイントを突くことができる。

2021年に特別指定選手として藤枝に加入し、J3からJ2へ駆け上ってきた久保。早くもJ1への挑戦権が舞い込んでくるのか、今夏注目のサイドアタッカーの1人だ。

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