Jリーグの野々村芳和チェアマンは今月19日、2025シーズン終了後に0.5シーズンの特別大会を設けた上で、2026/27シーズンから秋春制に移行すると発表。アルビレックス新潟から反対意見が上がるなど、依然として降雪地域をホームとするクラブは不安材料を抱えているが、欧州ではJリーグの秋春制移行が肯定的に捉えられている。

 フランス紙『レキップ』は「Jリーグはより魅力的なカレンダーに変更」という見出しのもと、秋春制移行を特集。秋春制移行のメリットについて「選手の海外移籍を促進するために欧州方式に切り替えた。日本の移籍市場がヨーロッパの移籍市場と一致し、日本人選手の海外移籍が容易になる」と説明するとともに、欧州における日本人選手の活躍ぶりを以下のように綴っている。

 「日本は何年もの間、若手選手の主な育成地のひとつになろうと努力してきた。MF久保建英(レアル・ソシエダ)、FW伊東純也(スタッド・ランス)、FW中村敬斗(スタッド・ランス)、MF三笘薫(ブライトン)、MF南野拓実(ASモナコ)など、多かれ少なかれ若い日本人選手に多くの欧州クラブが魅力を感じている」

 また『レキップ』は「ここ最近、多くの欧州ビッグクラブが日本にアカデミースクールを開設している。最近だとパリ・サンジェルマンが日出ずる国にスーツケースを置いた」と、欧州クラブにとって日本の市場が魅力的に映る現状もあわせて伝えている。

 「Jリーグの収益と魅力を高める最善の方法」と、欧州メディアが評価している秋春制移行。ただ一方で、シント=トロイデンVV所属の元日本代表FW岡崎慎司はX(旧ツイッター)で「個人的なシーズン移行に対しての懸念はリーグ内の格差です」と指摘。

 「ヨーロッパのように強さを求める事から生じる格差をどうやって作らないようにするか、日本はまだそこまで格差がなくて、他の国とは違う価値がJリーグにはあるように思う。ヨーロッパと戦うというより、違いを作り、共存していくイメージ」と、欧州リーグとの差別化を図り続けることが重要との認識を示している。