元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタ(元ヴィッセル神戸所属)をはじめ、直近数年間も大物選手の来日で湧いていたJリーグ。今季もFWオラ・ソルバッケンやMFサミュエル・グスタフソン(いずれも浦和レッズ)など実力派が揃う中、日本代表OBの城彰二氏はリーグレベルの低下を危惧。
城氏は今月17日、自身のYouTubeチャンネル『JOチャンネル』を更新。「Jリーグ秋春制のメリットと課題を考える!~選手の流通を活発化させよう~」というテーマのもと、秋春制移行と移籍の関係について語っている。
その中で、同氏は「今は日本人選手がすごく評価され始めて、すぐに海外へ行く選手がどんどん増えている。その部分を考えると、Jリーグは注目されなくなってきている」と、若手選手の海外移籍による“Jリーグ空洞化”の危険性を指摘。
「Jリーグ創成期は企業がたくさんバックアップして、お金をたくさん使って色々な外国人選手を連れて来た。それでJリーグのレベルは一気に上がった。今、日本はお金がなかなか(ない)…企業もそうだし、クラブもお金に苦労している。その中で良い外国人選手をたくさん連れて来るのは難しい。(若手の日本人有望株が)国内から出ていくだけで、(良い外国人選手が)入って来ないのがすごく厳しいと思っている」と、Jクラブの厳しい財政状況に言及した。
つづけて、城氏は元ブラジル代表のドゥンガ氏ら大物外国人選手と対戦した自身の経験談として「海外から良い選手が入って来ると、彼ら(の姿)を見たり学んだりすると、俺たちも成長する」と、大物選手がJリーグでプレーすることによるメリットを主張。
「凄い良い選手は、海外にたくさんいる。
ただ、城氏の主張とは対照的に、一部のJクラブは外国人選手の獲得で数億円規模の移籍金を費やしている模様。今年2月にブルガリア1部PFCレフスキ・ソフィアからガンバ大阪へ完全移籍したブラジル人FWウェルトン・フェリペについては、移籍金300万ユーロ(約4億8000万円)とブルガリア国内で報じられている。北海道コンサドーレ札幌が外国人選手の新戦力ゼロで今季に臨むなど、Jクラブ間で財政面の格差が広がっているかもしれない。