徳島ヴォルティスは今月4日、MF西谷和希が契約解除により退団したと公式発表。吉田達磨監督の解任、岡田明彦強化本部長の辞任、MF島川俊郎の現役引退などでチームが揺れる中、ここに来て西谷退団のタイミングを巡って議論が白熱。
徳島への批判も相次いでいる。

 2020年1月に栃木SCから徳島へ完全移籍した西谷は、加入1年目から主力選手として活躍。リカルド・ロドリゲス、ダニエル・ポヤトス(現ガンバ大阪監督)、ベニャート・ラバインとスペイン人指揮官から重宝されていた。

 しかし吉田前監督のもとで迎えた今季は、先月2日の明治安田J2リーグ第2節・鹿児島ユナイテッドFC戦を最後に出番なし。不適切と捉えられる発言により、全体練習が外れていたほか、YBCルヴァンカップ1回戦・AC長野パルセイロ戦の翌日である先月14日に「ヴォルティス本来のスタイルを取り戻すことが勝つための道しるべになります。ヴォルティスのスタイルこそが最高で最強です。
自信を持って堂々と言えます。必ず取り戻します。そのためにも自分のできることを全力でやり続けます」とインスタグラムで投稿。監督批判に当たる内容だと話題を呼んでいた。

 増田功作暫定監督の初陣であるJ2第8節清水エスパルス戦でもベンチ外となった西谷は、試合翌日に退団。ただJリーグデータサイトでは、4月5日時点で西谷の選手登録は抹消されておらず、電撃引退の島川のみ抹消。
Jリーグ第1登録期間(ウィンドウ)閉鎖翌日である3月28日以降も、徳島所属選手として登録されているため、西谷は第2登録期間開始日の7月8日までJリーグ公式戦でプレーできない。

 西谷先月上旬の時点でチーム活動から外れていたとみられるだけに、契約解除のタイミングや選手登録を巡って「このやり方は陰湿。人間の酷い部分が出ている」「せめて移籍ウィンドウが閉まる前に契約解除してあげてほしかった」「意図的に移籍期間終了後に契約解除したのでは?」「選手生命を脅かしている」「選手生命に関わる問題」「本当にクラブを信用できない」という声が。移籍ウィンドウ閉鎖後に契約解除するように指示を出した関係者を探すSNSユーザーもいるなど、徳島への批判がさらに強まっている。

 第1登録期間終了後にチームを去り、第2登録期間開始後に他クラブの一員としてピッチに戻ったJリーガーと言えば、元日本代表MF乾貴士(清水エスパルス)が記憶に新しい。同選手は昨年4月5日の柏レイソル戦で途中交代の際に小菊昭雄監督との握手を拒否。
指揮官との関係修復が困難となり、6月に契約解除でC大阪を退団すると、ファジアーノ岡山での練習参加を経て、7月22日に清水加入が正式決定していた。徳島サポーターから絶大な支持を得ていた西谷。プレースタイルの転換や成績不振で混迷を極める中、クラブの犠牲になっている。