南アフリカW杯の日本代表メンバーである松井大輔氏は今月5日、浦和レッズアカデミーのロールモデルコーチに就任。現役時代に浦和とは縁が無かっただけに、周囲で驚きの声が挙がる中、本人が浦和入りの裏側や自身の指導方針を語っている。


 日本屈指のドリブラーとして、京都パープルサンガ(現京都サンガ)やジュビロ磐田、フランスのル・マン、グルノーブルなどで活躍していた松井氏。2022年にはY.S.C.C.横浜(YS横浜)でサッカーとフットサルの二刀流として注目を浴びていたが、今年2月20日に現役引退を表明。先月21日には古巣横浜FCのスクールコーチに就任していた。

 そんな松井氏は、インターネット動画配信サービス『DAZN』で今月11日配信開始の『内田篤人のフットボール・タイム』にゲスト出演。内田氏から浦和行きの理由を訊かれると、「阿部ちゃんのこともあって。S級ライセンス(取得者)がいないところに入れさせてもらった」と、南アフリカW杯日本代表のチームメイトである阿部勇樹氏に言及。
同氏は現在、浦和ユースでコーチを務める一方、S級ライセンス取得にむけて今年度の日本サッカー協会(JFA)S級コーチ養成講習会を受講している。

 引退後から複数のメディアインタビューで「ドリブルに特化して指導したい」と自身の理想像を語っていた松井氏。内田氏や野村明弘アナウンサーとの鼎談でも、「僕は戦術を教えるわけではない。ドリブル特化とか個人戦術を教えるので、色々なチームに行きたい」と語ると、具体的な指導内容について以下のようなコメントを残した。

 「試合を見て、選手個々の足りない部分、伸ばしたい部分を一人ひとり(ノートにメモしている)。ドリブルとか感覚を持っている。
それをロジックにしていく。感覚、ロジックいずれかしか持っていないパターンが多いので、感覚を言語化していく」 

 「岡田さんが言っていたけど、教え過ぎると選手が伸びなくなる。だけど、ドリブルのロジックだけは(教えたい)。そのロジックにプラスして、自分の感覚を研ぎ澄ましていくという2つを教えられたら」

 南アフリカW杯日本代表監督である岡田武史氏からの金言も明かした松井氏。独特なサッカー観を兼ね備えているだけに、育成年代からの“松井2世輩出”をファン・サポーターは待ち望んでいるはずだ。