かつてバルセロナやヴィッセル神戸に在籍していた元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタは、現在UAE1部エミレーツ・クラブでプレー。2023/24シーズン限りで現役を退き、監督業を始める可能性が報じられている。


 イニエスタは昨年7月に神戸を退団し、エミレーツ・クラブへ移籍。新天地でもキャプテンを任せられる中、今季はここまでリーグ戦12試合の出場で4ゴール1アシスト。昨年12月にリュイス・プラナグマ監督(元FC今治監督、元神戸コーチ)が辞任した後はしばらく出番が無かったものの、今年3月以降は4試合つづけてスタメンに名を連ねている。

 イニエスタが再び出場機会を確保したとはいえ、エミレーツ・クラブの現状は芳しくない。同クラブはリーグ戦17試合を終えて2勝3分12敗と、14クラブ中13位に低迷。1部残留圏の12位アジュマーンから勝ち点8差と、残り9試合とはいえ残留の可能性は低い。


 そんな中、エミレーツ・クラブのユセフ・アルバトラン会長は、中東メディア『アル・カヘラ』の番組に出演。契約期間が今年6月までであるイニエスタの去就について、以下のように語っている。

 「残留すれば、我々は彼と契約延長交渉を行う。彼はまだ技術的にもフィジカル的にも非常に良い状態だからね。2,3年我々のもとにとどまることも可能だ。しかし、降格の場合は事情が異なる。
彼のような偉大な選手にとって、2部でのプレーを受け入れることはできない。(降格の場合は)監督就任を打診するつもりだ」

 イニエスタがエミレーツ・クラブの監督に就任するとなれば、DF大﨑玲央の去就に影響が出る可能性も考えられる。同選手は2023シーズン限りで神戸を退団すると、今年2月1日にエミレーツ・クラブ加入が正式決定。同月17日開催のUAE国内カップ戦でデビューしたものの、月末に契約解除により退団。1か月以上にわたり無所属状態だ。

 大﨑がエミレーツ・クラブへ移籍した経緯については、複数の中東メディアが「イニエスタが大﨑の獲得を推薦した。
チーム編成において、イニエスタの意向がかなり反映されている」と報道。ワルテル・ゼンガ現監督から構想外扱いを受けたとはいえ、監督交代となれば再びエミレーツ・クラブでプレーする可能性は考えられる。

 なお、米メディア『ESPN』は先月13日にイニエスタへのインタビュー記事を掲載。これによると、本人は「終わりを想像し始めている」とした上で、「それが今年の夏であっても、今年末であっても、来年であっても…現役引退という考えに慣れ始めているんだ」と現役引退を検討していることを認めている。