5月5日夜に、ショッピングモールで酸をかけられたマレーシア1部セランゴール所属の同国代表FWファイサル・ハリム(26歳)。当初、火傷レベルⅡ度と診断されていたが、レベルⅣ度(皮膚を貫通し、筋肉や骨にまでダメージがある深度の熱傷)の重傷であることが判明した。


 同選手は搬送先病院で4時間にわたる手術を受けたが、完治までにはさらに複数回の手術を受ける必要があるとされ、現在も集中治療室に入院中。所属クラブのセランゴールは同選手の状態について、「会話は可能だが、依然として予断を許さない状態だ」とコメントした。

 また、セランゴール州当局の代表者は、「状況は悪く、彼は左腕の感覚がないと話している。2度目の手術、あるいはそれ以上の手術が必要になるだろう」と語った。マレーシアのスポーツチャンネル『Astro Arena』は、もし今後の手術で完治しない場合は早期の現役引退を余儀なくされるだろうと報じており、専門家たちも日常生活はともかく、プロレベルのアスリートとして復帰することは難しいと考えている。

 ファイサル・ハリムは5日夜、セランゴール州ペタリン地区コタ・ダマンサラにあるショッピングモールで、不審なグループから酸をかけられて負傷した。
代表チームのスターが襲撃されるという大事件で、マレーシアサッカー界には激震が走っており、多くのファンが同選手の早期回復を祈っている。

 なお、セランゴール州警察は事件発生から24時間以内に、3人の容疑者を逮捕した。現在取り調べを続けており、犯行動機の解明などを進めている。容疑者らは、被害者の顔に酸をかけるつもりだったと供述している。