しかし、残留圏ぎりぎりの17位京都サンガの勝ち点は25。一般的に残留可能とされる勝ち点差は残りの試合数と同等とされるが、J1の残り試合数14に対し札幌と京都の勝ち点差はわずか10。札幌は極めて困難な残留争いに巻き込まれているといえる。
今夏、札幌は補強で6人の新戦力を獲得。ここでは、不振にあえぐ札幌をJ1残留へと導く新戦力を紹介していく。

FWジョルディ・サンチェス
ヴィジェフ・ウッチ(ポーランド1部)から完全移籍
- 背番号:9
- 誕生日:1994年11月11日(29歳)
- 身長:190cm
- 体重:86kg
- 国籍:スペイン
- 代表歴:なし
そんなサンチェスのストロングポイントは、恵まれた体格を生かしたポストプレー。190cmと大柄ながらスピードもあり、裏抜けも得意としている。残り14試合のJ1で、サンチェスがどれほどゴールに絡めるかが札幌が残留を達成するためのカギとなりそうだ。

FWアマドゥ・バカヨコ
ダンディー(スコットランド1部)から完全移籍
- 背番号:20
- 誕生日:1996年1月1日(28歳)
- 身長:190cm
- 体重:80kg
- 国籍:シエラレオネ/オランダ
- 代表歴:シエラレオネ代表(12試合3ゴール)
7月30日に宮の沢白い恋人サッカー場で行われた北海道教育大学岩見沢校との練習試合(45分×3試合)で2試合目に出場したバカヨコは、終了間際にMF小林祐希の左足からのクロスにヘディングで合わせ、加入後3日で早々と札幌初ゴールを挙げた。
助っ人としてのポテンシャルの高さを遺憾なく発揮したバカヨコは、スタメンでの起用は勿論、“ジョーカー”として後半から起用する方が、足が止まり始めた相手DFの脅威となり持ち前のスピードがより活きるはずだ。また、センタリングからの得点も多く感じることからポジショニングの良さもうかがえる。

FW白井陽斗
FC琉球(J3)から完全移籍
- 背番号:71
- 誕生日:1999年10月23日(24歳)
- 身長:172cm
- 体重:63kg
- 国籍:日本(大阪府)
- 代表歴:なし
前述の練習試合では2試合目に出場。出場時間30分ながらもMF長谷川竜也のマイナスのクロスを白井がゴールネットに流し込んで1得点をマークするなど決定力の高さがうかがえる。現在大ブレーク中の白井が、J1で低迷する札幌にどのような化学反応をもたらしてくれるのか。覚悟の移籍を決めた24歳の白井に注目が集まる。

MFフランシス・カン
CSマリティモ(ポルトガル2部)から完全移籍
- 背番号:70
- 誕生日:1998年2月7日(26歳)
- 身長:162cm
- 体重:62kg
- 国籍:ガーナ
- 代表歴:なし
カンのストロングポイントは「ターンしてからのシュート」や「相手を置き去りにする初速の速さ」だ。前述の練習試合では2試合目に出場。16分にサンチェスからのパスをゴールネットに流し込み、来日初ゴールを挙げた。そのわずか9分後にも、サンチェスからのパスを見事なコントロールショットでゴールネットを揺らし2得点をマークした。
2017~2021シーズンに札幌に所属していた“タイのメッシ”ことMFチャナティップ・ソングラシンを彷彿とさせるようなプレーぶりに期待は高まる一方だ。コンディションも良好との事で、まずはリーグ再開後の公式戦デビューに期待したい。

DFパク・ミンギュ
水原FC(韓国1部)から完全移籍
- 背番号:3
- 誕生日:1995年8月10日(29歳)
- 身長:177cm
- 体重:67kg
- 国籍:大韓民国
- 代表歴:U17韓国代表(3試合出場)、U20韓国代表(15試合出場)A代表(召集されるも出場なし)
そんなパクのストロングポイントはスピードと豊富な運動量。攻撃では正確な左足でセンタリングを、守備ではクリアや対人の強さを発揮する頼もしいDFであり、今の札幌には願ってもない補強であると言える。
現在札幌に所属しているFWキム・ゴンヒ(29)とは中学時代から交友があるため、チームにはすぐに溶け込めたようだ。パクとキムの「韓国ペア」にも期待が高まる。

DF大﨑玲央
エミレーツクラブ(アラブ首長国連邦)から完全移籍
- 背番号:25
- 誕生日:1991年8月7日(32歳)
- 身長:187cm
- 体重:82kg
- 国籍:日本
- 代表歴:なし
そんな大﨑のストロングポイントは、足元の技術を生かしたビルドアップ能力と対人守備に長けたプレースタイル。現在、札幌の3バックの真ん中(リベロ)をDF岡村大八が務めている点や、大﨑の長所であるビルドアップ能力を考えるとボランチでの起用が最適解であると考える。
練習では神戸でチームメイトだったMF小林祐希と談笑する姿が印象的で、既にチームにも溶け込んでいる。唯一懸念されるのは「試合勘」だが、出場時間の増加と共に問題は解消されるであろう。
この記事ではJ1最下位と低迷する札幌が今夏獲得した全6選手を紹介した。補強した選手たちの活躍や現選手との化学反応が起これば、残留圏17位との勝ち点差「10」をひっくり返し、逆転残留は十二分に考えられる数字である。Jリーグ史に残る残留劇を期待したい。