今季は開幕から3戦未勝利スタートとなったが、その後連勝で調子を上向かせ前半戦第19節の終了時点では首位と勝ち点9差の6位につけていた。しかし、夏場に連敗を含む6戦未勝利などでペースダウン。一時は二桁順位まで下がったが、直近の連勝を含む5戦無敗で再度6位まで浮上している。
今季のFC東京は、特に若手の活躍が目覚しい。パリ五輪メンバーに選出された選手ではGK野澤大志ブランドンや鹿島アントラーズから期限付き移籍中のMF荒木遼太郎、その他にも夏に海外挑戦を果たしたMF松木玖生と次代の日本代表を担うであろう選手たちが大きな存在感を示している。また、MF俵積田晃太やDF岡哲平といった選手たちもそれぞれ見せ場を作りチームを支えている。
現在チームで活躍する選手たちだけでも十分に先々楽しみな若手の多いFC東京だが、他クラブへ期限付き移籍中の選手たちも各々成長を遂げている。彼らが来季以降チームに戻れば、間違いなく他クラブの脅威になるだろう。ここでは、今季期限付き移籍先で活躍中でFC東京への帰還が楽しみな選手たちを3名紹介していく。
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木村誠二(サガン鳥栖)
2021シーズン以降、複数のクラブで経験を積んでいるDF木村誠二。今季はサガン鳥栖へ期限付きで移籍しているが、残念ながらチームはJ2降格を味わうシーズンとなっている。その中でも木村は確実に存在感を示した。186cmの長身を活かし、相手のロングボールやセットプレーに対して高い壁となって立ちはだかり、ボールを弾き返すなどチャンスを阻止。今季は守備の要であるDFエンリケ・トレヴィザンを負傷で欠くゲームが多く、センターバックの台所事情に苦しむシーズンとなっているFC東京。その分、若手の台頭もあるが次シーズンさらに上位に食い込むためにも同じ轍は踏みたくない。そうした状況も踏まえ、着実に成長を見せる木村にはぜひとも戻ってきてほしいものだ。

岡庭愁人(ジェフユナイテッド千葉)
2022~2023シーズンは大宮アルディージャでプレーしたDF岡庭愁人。今季はジェフユナイテッド千葉へと期限付き移籍し、昨年J1昇格へ迫ったチームでさらなる成長を見せている。全試合に出場を果たした昨年と比べ出場機会は満足のいくものでないが、それでも出場すれば確実に役割をこなす。ここまでに挙げた3ゴール5アシストのうち、2ゴール2アシストが途中出場から挙げた数字。限られた時間であってもゴールに直結するプレーが可能なことを証明している。FC東京と言えば、現在所属するDF長友佑都やDFバングーナガンデ佳史扶、さらに現在は海外で活躍するDF室屋成(ハノーファー96)にDF小川諒也(シント=トロイデンVV)と多くの日本代表選手を輩出しており、Jリーグでも屈指のサイドバック大国。今季は中盤での起用も多い岡庭だが、そんな選手たちの系譜を受け継ぐ存在となるだろう。

梶浦勇輝(ツエーゲン金沢)
FC東京から期限付き移籍している選手のうち、忘れてはならない男がJ3にもいる。ツエーゲン金沢で活躍するMF梶浦勇輝は、昨年から同クラブへ期限付き移籍中。残念ながら2023シーズンの金沢はJ2最下位となり今季はJ3で開幕を迎えたが、その環境下で梶浦は覚醒しつつある。第6節のSC相模原戦でリーグ戦初ゴールをマークすると、その後もゴールを重ねてここまで8ゴールをマーク。また、昨年に引き続きチャンスメイクでも存在感を放ちアシストも6つとゴール数、アシスト数ともにチームトップの数字を残している。現在金沢はプレーオフ進出のボーダーラインとなる6位と勝ち点差6の13位。大混戦のJ2昇格プレーオフ圏争いの渦中にある。残りの試合数が少ないなかで、チームを1年でのJ2復帰へ導けるかどうかも中心選手である梶浦の評価に直結するだろう。J1デビューした2022シーズンはFC東京でリーグ戦にも出場しているが、出場機会は決して多くなくJ1の舞台でどこまでやれるかは未知数。しかし、20歳という年齢を考慮すればJ2、J3での活躍ぶりは大いに可能性を感じさせる。FC東京の中盤では夏にMF松木玖生が海外挑戦を果たし、またベテランとなったMF東慶悟に頼る場面も多い。