5日の日本株市場は、やや利食い優勢の相場展開ながら底堅さが意識されそうだ。4日の米国市場は、NYダウが97ドル安、ナスダックは67ポイント安だった。
米連邦準備制度理事会(FRB)の利下げを急がない姿勢を受けた、長期金利の上昇が嫌気され、利益を確定させる売りが優勢だった。アトランタ連銀のボスティック総裁は、年2回の利下げ予想を示し、慎重姿勢を再表明したことも重荷となった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比45円安の40105円、円相場は1ドル150円50銭台で推移している。

 日経平均株価はシカゴ先物にサヤ寄せする格好から、やや売り先行で始まりそうだ。日経225先物はナイトセッションで一時40260円まで買われる場面も見られたが、終盤にかけて軟化し、下落に転じていた。ただし、エヌビディアは3%を超える上昇で最高値を更新したほか、アドバンスト・マイクロ・デバイセズなど半導体株が引き続き買われており、東エレク<8035>など指数インパクトの大きい値がさハイテク株が日経平均を支える格好になりそうだ。


 また、日経225先物はナイトセッションでも4万円を割り込まなかったことから、同水準での底堅さが意識されやすく、押し目待ち狙いの買い意欲は強そうである。先物主導で短期的な売り仕掛けの動きに対しては、押し目狙いの買いに向かわせよう。また、ファーストリテ<9983>が昨夕発表したユニクロの2月の既存店売上高は、前年同月比7.2%増だった。2カ月連続で前年実績を上回ったことから、これを材料視して買われる流れとなれば、日経平均株価を押し上げよう。

 もっとも、米国ではパウエルFRB議長の議会証言や米雇用統計などの重要イベントを控えており、これらを受けた米長期金利の動向が積極的な売買を手控えさせよう。また、週末には3月限の先物・オプション特別清算指数算出(メジャーSQ)を控えていることから、先物市場ではSQに絡んだ限月交代に伴う商いが中心になりやすく、積極的にトレンドを取りに行く売買は手控えられやすい。


 そのため、全体としては利益確定の売りが出やすいなか、資金は半導体株やAI関連などに集中しやすいだろう。そのほか、昨日は東証プライムの7割超の銘柄が売られていたが、イベント通過後を睨んだ配当志向の物色が下値では意識されそうだ。