30日前場の取引では以下の3つのポイントに注目したい。

■株式見通し:配当権利落ち分を即日吸収する動きへ
■科研薬、22/3下方修正 営業利益165億円←188億円
■前場の注目材料:三菱UFJ、神戸大・三菱UFJ銀が連携、同族経営研究センター開設

■配当権利落ち分を即日吸収する動きへ

30日の日本株市場は、買い一巡後はこう着ながらも底堅い相場展開になりそうだ。
29日の米国市場はNYダウが338ドル高だった。ロシアとウクライナの停戦交渉で進展が報じられ、停戦期待から買い優勢の展開となった。雇用や住宅価格関連指標が予想を上回ったほか、企業の合併、買収の報道が投資家心理の改善に繋がった。長期金利の低下でハイテク株も続伸し終日堅調な展開だった。シカゴ日経225先物清算値は大阪比420円高の28340円。円相場は1ドル122円90銭台で推移。


シカゴ先物にサヤ寄せする格好から買い先行で始まろう。日経平均の配当権利落ち分は230円程度と見られているが、これを考慮しても28000円を上回っての推移が見込まれるため、センチメント改善に繋がろう。買い一巡後はこう着感が強まる局面もありそうだが、配当権利落ち分を即日吸収する動きから、先高期待も高まりそうである。

ロシアとウクライナの停戦期待については楽観視できないものの、ロシア国防省がウクライナの首都キエフなどで軍事活動を縮小するとの発表も報じられるなか、リスク選好に向わせやすいだろう。配当権利落ち分を即日吸収する動きが個別で目立ってくるようだと、高配当で調整分が大きい銘柄などへはリバウンド狙いの動きが広がる可能性も期待されよう。

また、米VIX指数は18.90に低下した。
19.00を下回るのは1月12日以来となる。リスクオンに向わせやすく、押し目待ちの買い方についても下値を切り上げる動きに向わせそうである。また、配当再投資に伴う先物市場への買い需要が下支えとして意識されやすい。先回り的な買いの反動も想定されるものの、利食いの動きから28000円に接近する局面においては、押し目待ち狙いのタイミングにもなろう。また、週末には米雇用統計の発表を控えていることから様子見ムードも出やすいものの、期末の株式比率修正に伴う買い需要なども意識されやすく、下値の堅さは見られそうだ。

そのほか、昨日のマザーズ指数は3%を超える上昇を見せており、25日線が支持線として機能する格好からのリバウンドを見せてきた。
直近戻り高値はクリアできていないものの、ナスダックの強い動きなども支援材料になりやすく、個人主体による短期的な値幅取り狙いの動きは見られそうである。

■科研薬、22/3下方修正 営業利益165億円←188億円

科研薬は2022年3月期業績予想の修正を発表。売上高は792億円から760億円、営業利益を188億円から165億円に下方修正した。コンセンサス(170億円程度)を下回る。主力の医薬品のうち一部製品について、新型コロナウイルス感染症による受診抑制等の影響が想定よりも長引いている。

■前場の注目材料

・日経平均は上昇(28252.42、+308.53)
・NYダウは上昇(35294.19、+338.30)
・ナスダック総合指数は上昇(14619.64、+264.73)
・シカゴ日経先物は上昇(28340、大阪比+420)
・1ドル=122.90-00円
・SOX指数は上昇(3625.58、+78.41)
・VIX指数は低下(18.90、-0.73)
・米長期金利は低下
・米国景気の拡大
・コロナ感染沈静化
・日銀は金融緩和を長期化
・株価急落時の日銀ETF買い

・三菱UFJ神戸大・三菱UFJ銀が連携、同族経営研究センター開設
九州電力九電など4社、船舶向けLNG供給参入
・長瀬産業環境負荷物質調査プラットフォーム、全企業に開放
・伊藤忠独社と資本提携、ドローン配送事業化推進
・住友商事ベトナムのスーパー拡大、BRGグループと連携加速
・日野自国交省、日野自のエンジン不正、初の型式認証取り消し
・三井物産欧州の農薬販売2子会社を統合
・コマツブルドーザー遠隔操作、ブラジル鉱山で英社と実証
・NTTベトナムにDC建設、地元IT系と提携
・日本製紙「高成長樹木苗」事業拡大、CO2吸収量1.5倍超
・大王製紙CNF複合樹脂実証、三島工場で能力年100トン

☆前場のイベントスケジュール

<国内>
・特になし

<海外>
・10:30 ボスティック米アトランタ連銀総裁討論会参加