2024年12月期の売上高に対して、MRO事業の売上が約74%を占め、残りはFM事業やその他が占める。MRO事業の内訳は、製造業・建設業やサービス・小売業が多く、大企業直販が8割を上回ってきている。残りは中小事業所向け再販(アスクル経由の売上高)で構成される。プライム市場に上場している企業を中心とした大企業群が同社の顧客で、大企業直販の顧客解約率はほぼ0%のストック型ビジネスとなっている。MRO事業は大企業向けが好調、売上高で前期比11.0%増の41,221百万円、セグメント利益で同20.9%増の769百万円となった。IT資産の減価償却一巡で、セグメント利益は増収率を上回る大幅増となっており、全体の利益増をけん引した。FM事業は大型改装案件の後ろ倒しの影響が大きく、売上高で前期比0.4%減の14,665百万円、セグメント利益で同19.0%減の389百万円。
2025年12月期は、売上高で前期比10.8%増の61,975百万円、営業利益で同13.5%増の1,410百万円が予想されている。MRO事業では大企業向けが引き続き全体をけん引し、中小企業向けも底打ち基調が継続、FM事業も後ろ倒しとなっていた大型案件が復調するなど、増収率が加速、営業利益も2桁増となり、11期連続の増収が見込まれている。MRO事業の大企業向けは、今期も顧客あたりの購入金額の増加と、新規顧客の増加を見込む。最適購買品推奨機能を付加され、「無限カタログ」と命名されたコアサービスである電子カタログは、新機能追加が顧客数の増加に寄与し始めている。
大企業向けMRO市場の市場規模は約1兆円だが、既存の電子カタログで取引される領域(同社の既存事業領域)の市場規模は約4,000億円程度となる。
また、厳密な意味での類似企業はないが、MonotaRO<3064>の数値は確認しておいても良いだろう。同社はROE25%超、今期予想の営業増益率で2桁が予想されており、予想PERで50.9倍の評価だ。アルファパーチェスのROEは15%強であるが、利益成長は13.5%増、予想PER14.5倍となる。ROEは劇的に向上するものでなく、同社においては地力を付けながらの上昇となろうが、2桁増益の達成が続けば、PER不変でも株価は上昇し得る。アズワン<7476>、ミスミグループ本社<9962>、アスクル<2678>などと比較したPERは下限に近く、下値不安に乏しい。資本効率の改善は、さらなるアップサイドポテンシャルと考えておきたい。
株主還元では、記念配当5円を含む1株あたり配当35円を予定しており、配当利回りで2.10%が予想されている。