投資家のリスク選好が強まる流れ。中国株マーケットの先行きに対する楽観が広がっている。モルガン・スタンレーは19日付のレポートで、中国株に対する弱気見通しを撤回。今週はゴールドマン・サックスやJPモルガン、UBSなども強気見通しを相次ぎ示した。足元では、グローバルヘッジファンドが中国株への投資を積極化しているとも伝わった。
ハイテク主力の好決算も追い風。電子商取引(EC)中国最大手の阿里巴巴集団HD(アリババ:9988/HK)が報告した10~12月期決算は、売上高、調整後利益ともに市場予想を上回った。経営陣は人工知能(AI)産業の発展で、今後もクラウドサービスの伸びが続くと説明。今後3年間はAIを中心とした投資に注力する方針を示した。ハンセン科技(テック)指数は6.5%高と他の指数をアウトパフォームしている。(亜州リサーチ編集部)
ハンセン指数の構成銘柄では、アリババが14.6%高と急伸。
他のAIインフラ関連では、通信キャリアの中国電信(728/HK)が12.8%、データセンターの万国数拠HD(9698/HK)が11.0%、通信インフラ工事の中国通信服務(552/HK)が19.1%ずつ上昇した。
半導体セクターも急伸。華虹半導体(1347/HK)が9.2%高、中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK)が7.9%高、上海復旦微電子集団(1385/HK)が5.8%高で引けた。ほかスマートドライブ関連も好調。比亜迪(BYD:1211/HK)が4.6%値上がりしたほか、地平線(9660/HK)が11.4%高、速騰聚創科技(2498/HK)が5.5%高で取引を終えた。
前出の銘柄のうち、アリババ、中国聯通、レノボ、SMIC、BYDなどが上場来最高値を更新した。半面、消費セクターの一角はさえない。食品・飲料の統一企業中国HD(220/HK)が4.0%、康師傅HD(ティンイー:322/HK)が2.4%、レストランの九毛九国際HD(9922/HK)が2.2%、海底撈国際HD(6862/HK)が0.8%ずつ下落した。
一方、本土市場も反発。
亜州リサーチ(株)