*16:57JST 16日の中国本土市場概況:上海総合4.5%安で3日続落、中国GDP公表後に下げ加速
16日の中国本土市場は大幅に値下がり。主要指標の上海総合指数は、前日比151.21ポイント(4.50%)安の3210.10ポイントと3日続落している(上海A株指数は4.50%安の3364.75ポイント)。
(亜州リサーチ編集部)


中国の政策動向を見極めたいとするスタンスが強まる流れ。取引時間中に公表された中国の4~6月GDP成長率が予想を大幅に上回る改善をみせたことで、逆に市場の一部からは「金融緩和の深堀や景気刺激策の拡大はこれ以上見込めない」との声が聞かれた。GDP成長率は3.2%増となり、コロナ流行の影響でマイナス6.8%となった前四半期から急回復している(市場予想は2.4%増)。

足もとでは株式や不動産の相場過熱が散見され、すでに当局は緩和スタンスをやや後退させる状況だ。中国人民銀行(中央銀行)は15日に「中期流動性ファシリティ(MLF)」を通じて4000億人民元を市場に供給したが、7月中に満期を迎える過去実施分(7000億人民元)を大幅に下回る規模となっている。週明け20日に公表される事実上の貸出基準金利「ローンプライムレート(LPR)」に関しても、前月に続き据え置かれるとの予測が優勢だ。
指数は指標発表後、段階的に下落幅を広げている。

業種別では、消費関連の下げが目立つ。スーパーマーケットチェーンの上海百聯集団(600827/SH)と老舗小売グループの王府井集団(600859/SH)がそろってストップ安、業界大手の青島ビール(600600/SH)が9.6%安、高級白酒(中国の蒸留酒)メーカー大手の貴州茅台酒(貴州マオタイ:600519)が7.9%安で引けた。医薬品株も急落。上海復星医薬集団(600196/SH)がストップ安した。ハイテク株も安い。
IC設計の上海韋爾半導体(WILLSEMI:603501/SH)が9.7%下落した。そのほか金融株、資源・素材株、自動車株、運輸株、不動産株など幅広く売られている。

外貨建てB株相場も値下がり。上海B株指数が8.51ポイント(3.58%)安の229.24ポイント、深センB株指数が18.70ポイント(2.02%)安の908.01ポイントで終了した。

なお本日は、ICファウンドリ中国最大手の中芯国際集成電路製造(SMIC:981/HK、688981/SH)が上海のハイテク・スタートアップ企業向け市場「科創板」に重複上場した。公募価格(27.46人民元)を245.96%上回る95.00人民元で寄り付き、202.0%高の82.92人民元で取引を終えた。


亜州リサーチ(株)





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