レビュー
社員にリーダーシップを求めない会社はないだろう。ポジションや経験値により差はあれど、リーダーシップは、多くのビジネスパーソンにとって身近な概念であると思う。
本書を読めば、リーダーシップとは、会社や組織における立場に関係なく、すべての人にとって大切なものであることがわかるだろう。著者によると、リーダーシップの原点は「自分を知り、自分を導く」ことにあるからだ。Yahoo!アカデミア学長や武蔵野大学アントレプレナーシップ学部学部長などを兼任し、これまで多くのリーダーを世のなかに輩出してきた著者、伊藤羊一氏が、「FREE, FLAT, FUN」をキーワードに、生き方についての思いの丈を綴ったのが本書である。
リーダーシップはすべて「自分を導く」ことからはじまる。自分を知り「譲れない想い」を持ってこそ、他人や社会を導くことができるのだ――著者はそう語る。本書で言及されているのは、いわゆる「リーダー」のための狭義のリーダーシップではない。生き方という高い抽象度からリーダーシップを俯瞰的にとらえ、幸せに生きる手がかりはいつも自分のなかにあるのだと教えてくれる。
会社や組織という狭い世界にあたっていた焦点を自分に引き戻し、視野を広げてリーダーシップをとらえる。そうすることで見える景色はガラリと変わると感じた。いまリーダーのポジションにいる人なら、メンバーへの接し方がおのずと変わることだろう。「自分の人生」を生きたい人は必読の一冊だ。
本書の要点
・「FREE」とは、常識から解放されて自分が「こうありたい」と思う生き方をすることだ。一人ひとりが自由に生きる社会になれば、それぞれがリスペクトされる存在となり、「FLAT」な世の中になる。そして自分の意思で選択することが「FUN(楽しい状態)」をつくる。
・リーダーシップの原点は、自分の「譲れない想い」を知って自分を導く生き方にある。そこからはじめなければ、他者を導くことも社会を導くこともできない。
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