レビュー

本書は、藤田晋氏が堀江貴文氏にオファーすることによって実現した、両氏初の共著である。同年代で20代からの旧知の仲である二人は、20年以上にわたり日本のビジネスシーンを牽引し、多様な新しいサービスを生み出してきた。

しかし、二人が経験してきたのは華々しい成功だけではない。二人が交互に10代から40代までの人生を時系列で語っていく本書には、両氏が味わってきた激しい「浮き沈み」が記される。
「同世代」「地方出身」「父は堅実な勤め人」など多くの共通項を持ちながら、両氏は「動と静」「熱狂と冷静」とも称されるほど正反対の性質を持っている。そんな二人が変化の激しいこの時代に大切なスキルとして挙げるのは、本書を通貫するテーマである「ハートの強さ」だ。本書の冒頭で、藤田氏はここまで自分がやってこられたのは「ハートの強さの賜物」であると語り、堀江氏はタイプの違う二人の活動はどちらも「心の強さあってこそ」だと本書を結ぶ。忍耐、変化に対する耐性、ストレスに対する強さ。そうしたハートの強さは、努力や意識の持ち方によって、後天的に鍛えられるという。
両氏が当時の心情を交えながら語る人生のストーリーは、物語として楽しめるだけでなく、ハートの強さを鍛え、ビジネスパーソンとして活躍していくための示唆に富む。同じ時代を生きるビジネスパーソンとして、時代を牽引し続ける両氏から多くを学びとっていただきたい。

本書の要点

・若いうちに自分がハマれる「沼」を見つけて結果を出し、成功体験を積むことで心は強くなる。
・決めた目標に向かい、ひたすらに「自分」と戦うこと。そうすれば、ハードワークやつらい精神的負荷も心を鍛える糧となる。


・不安や迷いが頭から離れないときは自分の思いを公言しよう。自分の「外」に発信することで、自分の心という「内」面をブレさせずにすむ。
・欲しいものをはっきりさせ、他の重要でないものを捨てよう。そうすることで、残された本当に大切なものを力いっぱい抱き締めることができる。



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