レビュー

このところ注目されて久しい社会人の学び直しや、身につけておくべきビジネススキル。本書には、その要諦がぎゅっと凝縮されており、52あるレッスンに沿って実践的に学べる形式が取られている。


「1 感謝する」に始まり、「2 習慣化する」、「11 失敗から学ぶ」、「14 安全圏から出る」、「34 内なる声を聞く」、「42 安心できる場所をつくる」など、最近売れ筋のビジネス書のタイトルに通ずる幅広いテーマが一冊で学べる。著者はハーバード大学で哲学と心理学を学んだ心理学博士(組織行動論)。読んでいると、大学の講義を受けている気分になる。
52のテーマごとに“Think”として考えるべきお題が設定され、その思考を深めるための“Action”が示されている。また、各レッスンの最後には、テーマに関連する名言の紹介がある。「37 偉業を観察する」なら、「天才とは1%のひらめきと99%の努力である (発明家 トーマス・エジソン)」といった具合だ。

中には、「22 回復する」「41 決断をする」といった誰もが日常的に行う、人間的営みについても記されている。回復も決断も、少し視点や意識を変えることで、それまでとは違った結果をもたらしてくれると理解でき、一読後に新たな視界が開けるはずだ。
全レッスンの折り返し地点、26で半分を振り返り、52では全体を振り返る。ただ、まずは気になるところから読み始めてもいいだろう。
「1 感謝する」と「21 「ありがとう」を言う」は別々のレッスンとなっている。どう違うのだろうか。
早速見ていこう。

本書の要点

・感謝の手紙を書くことは、人間関係からもたらされる意義と喜びをじっくり考察することだ。1通の手紙で幸福感は増す。
・本当の幸福のため、不快な感情やつらい体験は必要だ。人は困難の克服により幸福になれる。困難こそが喜びへの感謝の気持ちをつくり、この感謝の気持ちこそ真の生きがいの源になる。


・困難に挑戦することは「自分は失敗を恐れず、失敗したとしても立ち直れる」という自分へのメッセージとなり、自尊心にとっていい結果をもたらす。



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