レビュー
リモートワークが普及し、このような悩みが聞かれるようになった。文章でのやりとりだと相手の考えていることがわからない。
しかし1500人以上のメンバー全員が7年以上ほぼフルリモートワークで働く会社の取締役を務める石倉秀明氏は、そんな意見に真っ向から反対する。
ビジネスのコミュニケーションは、「書く、読む」を中心にした方が早い。書くことに慣れていないと、つい「会って話した方が早い」と思ってしまいがちだ。しかし、よく考えてみると、対面でのコミュニケーションには無駄が多い。会って話すには予定を合わせなければならないし、自分が知っている話をしている間も拘束され、ときには同じ説明を別の人に繰り返し伝えなければならない。「書く、読む」のコミュニケーションであれば、相手と予定が合わなくてもやりとりは進むし、知っている情報は読む必要がなく、同じ説明を他の人にするのならばすでに用意した文章を送ればよい。やり方さえわかれば、「書いた方が早い」ということも多いはずだ。
本書は、著者が7年以上ものフルリモートワーク経験で培った文章術と、埋めるだけで伝わる文章が書ける「フォーマット」が惜しげもなく公開されている。「書く、読む」のコミュニケーションに苦手意識がある人でも、すぐに取り入れ実践しやすいのが魅力だ。本書のテクニックを取り入れれば、「テキストコミュニケーション」を自分の武器にすることができるだろう。
本書の要点
・良い文章を書くには、「何を書けば伝わるか」を知っておくことが重要だ。
・仕事で作る文章の7割は、「現状報告」「目的」「締め切り」「気をつけること」「メリット、デメリット」を含めた「万能フォーマット」で対応できる。
・フォーマットとともに「どう書けばいい?」がなくなるテクニックを押さえれば、わかりやすい文章が書けるようになる。
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