レビュー
仕事において大きな割合を占める「会議」。ビジネスの現場には大小さまざまな会議が存在するが、効率良く進行し、かつ効果を上げているものは案外少ないものだ。
本書で紹介する「1ページ思考」は、会議をスムーズに進め、確実に結果を出すために有効なメソッドだ。議論がうまくいかない理由の多くは、「会議の目的がずれている」「情報共有ができていない」ことだと、著者は指摘する。そこで、メンバーの目線を合わせ、時間内に建設的な議論をおこなうために考案したのが、「1ページ」を使った仕組みである。
「1ページ」の作り方はこうだ。まず、会議の前に「会議の目的」「背景」「討議ポイント」「ネクストステップ」の4つを徹底的に考えて、1枚の紙に落とし込む。必要な情報や伝えたいことを端的に過不足なく盛り込むことは、簡単なようで難しい。しかし、このプロセスにより思考が研ぎ澄まされ、本当に大事なことが見えてくるという。相手やシーンを「鬼リアル」に想像し、考え抜く一手間が、会議を大きくスピーディーに動かすのだ。
「1ページ思考」は、社内の定例会議や取引先との商談、1on1ミーティング、人生プランの設計、本の学びのまとめなど、あらゆる場面で活用することができる。もしあなたが「会議をうまく回せない」と悩んでいるなら、本書はビジネス戦闘力を高めるためのパワフルな武器として役に立つことだろう。読んで損はない、ビジネスパーソン必読の一冊である。
本書の要点
・「1ページ思考」とは、必要な情報を共有し、会議の目的や参加者の目線を合わせて「何をすべきか」を明確にし、ミーティングで実現するための仕組みである。
・「1ページ」の構成は、「会議の目的」「背景」「討議ポイント」「ネクストステップ」の4つである。これらをすべて「1ページ」に的確に盛り込まなければならない。
・ポイントは、相手や使われるシーンを鬼リアルに想像すること。考え抜かれた「1ページ」だからこそ、人を動かし、会議をうまく進行させることができる。
・「1ページ」は手書きで構成を考える方が、柔軟な発想が生まれやすい。
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