レビュー

あなたのまわりにもきっと、常に卓越した成果をあげ続ける人がいるだろう。では、その人はいったい他の人と何が違うのか――。

本書はこの疑問に答えをくれる一冊である。
著者の田尻望氏はキーエンス出身で、現在は経営コンサルティングを専門としている人物だ。「企業が社会変化に適応し、中長期発展するための仕組み」の提供を強みとし、月1億円レベルの利益改善を成し遂げた企業を次々に輩出しているという。2022年に上梓した『付加価値のつくりかた』は10万部超のベストセラーとなっている。
そんな田尻氏の新著のテーマは「再現性」だ。本書では、いつでも、どこでも、何度でも大きな成果をあげる人を「再現性の塊」と呼び、その成功の秘訣を紹介している。
軸となるキーワードは「ニーズ」だ。著者によれば、「再現性の塊」の仕事の核心は、ニーズの捉え方にあるという。本書ではその前提のもと、ニーズを正確に捉えるためのヒントを教えてくれる。
本当に優秀な人は、誰とタッグを組んでどんな商材を売ることになっても、閑散期であっても、別の部署に異動しても、常に安定して成果を出せるものだ。あなたもそんな「再現性の塊」になりたいなら、本書を読むことがその最短ルートになるに違いない。
なお本書では個人レベル・組織レベル両方の観点から「再現性」について語られているが、要約では個人レベルの考え方のみ取り上げた。
特にリーダー層の人には、ぜひ本書を手に取り、組織レベルの再現性の上げ方を知ってもらいたい。

本書の要点

・「存在」「行動」「結果」に目を向けると、お客様のニーズが見えてくる。そのニーズを仕組み化やシステム化によって叶えられれば、契約や発注につながるだろう。
・お客様の顕在ニーズを満たすだけでは不十分だ。顕在ニーズが生まれた理由や原因、その背景を明らかにして「ニーズの裏のニーズ」を確定し、叶えてあげる必要がある。
・「再現性の塊」になるための第一歩は、「うまくいったこと」と「うまくいかなかったこと」を書き出し、「うまくいったこと」の再現性を高めるとともに「うまくいかなかったこと」の改善に着手することだ。



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