レビュー

オリンピックに数々の選手を送り出した名門、それがスタンフォード大学である。本書は、そんなスタンフォード大学でアスレチックトレーナーを務める著者が、科学的な知識を用い、なおかつ専門的な知識がなくてもわかるようにかみ砕いて、疲労やモチベーションなどを説明した一冊である。


意欲、疲労、調子、ストレス、睡眠。こうした要素は生きていく上で誰でも関心があるはずだ。しかし、それが一体何なのか、詳細に説明できる人は少ないのではないだろうか。こうした「大切だけれども、なんとなく理解しているもの」を説明してくれるのが、科学だ。なぜ、科学的なアプローチが必要なのか。それは、科学的な知識をもつことで、より適切な対処をとることができるからである。

人はメンタルの不調や身体的な疲労に陥ったとき、なすすべなく心を摩耗してしまいがちだ。しかし、脳や体のどういった部分で何が起きればストレスを感じるのか、ということを知っていれば具体的な対処の方法が見えてくる。科学的な手法で蓄積された知識というのは、経験的に対処するよりも間違いが少ない。本書はそうした科学的な知識を踏まえた上で、疲労やストレスへの対処法について具体的かつわかりやすく説明されている。
人は生きていると不調に悩まされるし、新しく成長する必要もある。本書は社会を生き抜く人にとって必携と言えよう。

本書の要点

・スタンフォード大学ではオリンピックに優秀な選手を多く送り出してきた。そんなスタンフォード大学のノウハウをわかりやすく解説したのが本書である。
・人にはドーパミン系とセロトニン系という2つの報酬システムが備わっている。これを意識的に切り替えることはできない。しかし、成功している人はこれが切り替わるような行動を適切に行っている。
・ある動作を繰り返すことで神経回路が作り替えられていく。

これを神経の可塑性という。若い頃はこれが活発でいろんなことを学びやすい。しかし、年をとっても伸びしろはある。



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