レビュー

多くの人はきっと「幸せの形は人それぞれだから、幸せを手に入れる普遍的な方法などない」と思っているのではないだろうか。そんな人に、長年「幸せ」の研究を積み重ねてきた心理学者が「もっと・ずっと幸せになれる方法」を教えてくれる本書を勧めたい。


著者は、カリフォルニア大学リバーサイド校で社会心理学とポジティブ心理学を教えるソニア・リュボミアスキー氏だ。スタンフォード大学の博士課程に在籍時から、カリフォルニア大学リバーサイド校の教授として活躍する現在に至るまで、実に30年近く幸せに関する研究に携わってきたそうだ。
本書ではそんな著者の研究の成果の一つとして「幸せがずっと続く12の行動習慣」が紹介されている。12の行動習慣は、「考えすぎない、人と比較しない」「人間関係を育む」といった誰もが納得するものから、「人を許す」「目標達成に全力を尽くす」といった目新しいものまで幅広い。どの項も著者や他の研究者が実際に行った実験や研究の結果に基づいて書かれているため、大いに説得力がある。
著者は本書で、幸福を決める最も重要な3つの要因は「遺伝による設定値」「生活環境」「意図的な行動」で、意図的な行動が実に40%を占めると書いている。
自分の行動次第で幸せになれると知ったら、たとえ遺伝による設定値や環境に恵まれていないとしても、幸せを手に入れるために頑張ってみようと思えるのではないだろうか。本書を手に、幸せな人生への一歩を踏み出そう。

本書の要点

・「幸福」を決める最も重要な3つの要因は、「遺伝による設定値」(50%)、「生活環境」(10%)、そして「意図的な行動」(40%)である。遺伝や環境は選べなくても、意図的な行動は自分次第でコントロールできる。
・幸せになる「意図的な行動」の一つは、感謝の気持ちを表わすことだ。常に感謝を忘れない人は、相対的により幸福で、よりエネルギッシュで、より希望に満ちており、より「ポジティブ感情」を抱きやすい。


・身体を大切にするのも効果的だ。特に運動は、あらゆる活動のなかで最も効果的に幸福度を高めてくれる方法である。
・幸せな人のように振る舞うと、本当に幸せになれる。



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